研究課題/領域番号 |
62304058
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
梁瀬 度子 奈良女子大学, 家政学部, 教授 (60031663)
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研究分担者 |
五十嵐 由利子 新潟大学, 教育学部, 助教授 (80018655)
菊沢 康子 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (80033702)
徳田 哲男 東京都老人総合研究所, リハビリテーション医学部, 主事
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
1988年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1987年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 高齢者、温熱環境 / 暑熱対応 / 寒冷対応 / 高齢者 / 居住環境 / 温熱適応 |
研究概要 |
高齢者の居住環境づまくりのための基礎資料を得る目的で、気候風土的特徴をもつ各地に居住する高齢男女を対象に、酷寒、酷暑期を選び、温熱適応のしかたに注目し、アンケート調査、実態測定、実験室実験を行い、加齢による共通的特性と環境要因からくる特異性を明らかにしようと試みた。 (1)全国一斉に実施したアンケート調査から、生理的要因が関与する日常の基本的な生活行動(睡眠、入浴、外出行動など)や温熱対応としての冷房器具使用率や暖房開始期、カイロ使用率などには70齢の影響が強く認められ、また地域差も認められた。しかし着衣や寝具使用には、むしろ習慣性が優位に表われていた。全般的に身体周辺での消極的な防寒防暑対応にとどまっており、生理機能の低下を考慮した積極的な対応方策の必要性が示唆された。 (2)住み方実態と居住性評価の評細な検討を寒冷地と温暖地で行った結果、感覚機能の低下による室温と寒暖感との対応のズレが顕著に認められ、また、生理機能の低下にも拘わらず温熱緩和の手段を衰えず、主として着衣量で調節するなど、習慣的に身についた温熱対応のしかたに問題的が見出され、高齢者の生理機能を考慮した環境改善の必要性が示唆された。 (3)温熱環境の実態測定および対応行動や皮膚温の連続測定結果から、室温に対する対応のしかたに性差がみられ、男性のほうが着衣、室温調節に注意を拂っていること、女性のほうが概して暑さには弱いが寒さには強い、ことなどが明らかにされた。これらの測定結果から、高齢者のための快適温度範囲は、冬季20℃〜25℃、夏季25℃〜29℃が室温の目安となると考えられる。 (4)人工気候室にて暑熱および寒冷環境下における生理、心理反応を測定した結果、循環機能の低下による皮膚温反応の遅延が観察され、感覚機能の低下とも併せ、今後の高齢者の居住環境づくりにおける温熱制御の重要性が示唆された。
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