研究概要 |
北京師範大学の何香濤教授が, 1984年秋, 木曽観測所に日本学術振興会の招へいで滞在した折りに, わが国の銀河と銀河系の研究者と広く接触した上で, 日中共同研究を提案して帰国した. 其の後, 中国側では南京大学校長曲欽岳教授, 北京大学伊其豊教授などと共に25名のメンバーを選んで, 国家教育委員会へ日中共同研究を申請して認められた. そこで日中共同の研究会が企画されて, 昭和62年9月29日ー10月3日, 北京市の北方150キロの承徳市において, 約40名の参加のもとに講演数32の小研究会を開催した. わが国からの参加者は, 小暮智一(京大), 岡村定矩(東大), 稲垣省五(京大), 松岡勝(理研), 磯部秀三(東大), 及び私の6名だった. 日中共同の個別研究は, これを契機に幾つかが進められることになった. 国内においては, それに前後して幾つかの研究会等が開催された. 主な会合を以下に記す. 昭和62年8月27日ー28日, 岡山県浅口郡鴨方町町民会館において「シュミットシンポジウム」, 参加者67名, 講演等32. 内容は, 宇宙論, 銀河, 銀河系・星雲・星団・恒星, 太陽系, データ処理, 観測所現況報告と総合討論等. 集録B5版, 120ページ. 昭和62年12月9日ー10日, 東京都八王子市大学セミナーハウスにおいて「銀河中心核の活動性と銀河間相互作用ワークショップ」, 参加者15名, 講演等13. 内容は, 銀河中心核活動の観測の概観, 銀河中心核活動と銀河間衝突の数値実験, 理論的検討, 特異例について, 空間的規模の違いについて等. 集録A4版, 220ページ. 中国側は, 次回の日中共同研究会を日本で開催することを希望している.
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