研究概要 |
本総合研究においては知能的機能を有するアドバンスド・デバイスを実現するために,どのような領域について重点的に研究を進めるべきかについて検討を行った. ここで対象としているデバイスは認織機能,学習機能,誤謬訂正機能,連想機能等高度な機能を有するデバイスであって,現在ディジタル回路に使用されている主としてスイッチ機能を果たすデバイスではない. 検討の結果,次の4分野を重点的に研究すべきであるとの結論に達した. 即ち,1.固体内のコヒーレント電子現象とその応用,2.異種固体界面における光・電子現象とその応用,3.分子低次元系における秩序化現象とその応用,4.分子秩序系における光・電子現象とその応用である. 具体的な研究内容としては(1)超微細加工技術を用いて,重子の波動性に基く干渉効果などを利用する電子導波路や論理素子,コヒーレントな電子による慣性インダクタンスなどの研究,(2)金属,半導体,絶緑体,超伝導体,あるいは結晶,非晶質からなる異社同体界面におけるミクロな光・電子現象を探索し,光信号・電気信号の伝送,蓄積,制御に応用する研究,(3)分子薄膜の生成核となる分子集合体の構造形態,分子薄膜における秩序化とその素過程,分子薄膜の原子レベルでの物性, (4)ある秩序のもとに集合した分子系の光学的・電子的現象,情報処理機能,秩序性と分子現象,機能の関係,及び分子秩序系を用いた新しいデバイスの研究などがあげられる. 本研究の実施に当たっては総合研究分担者の他に若干名を加え, 約30の研究グループで計画研究班を構成することが可能で,研究期間は3年を目途とし,3年後に見直しを行うのが適当と考えられるとの結論を得た. また,研究経費を精算した所,約8億円となり,その中設備備品費は約5億円と考えられることが判明した.
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