研究分担者 |
笹田 直 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016300)
岡村 弘之 東京大学, 工学部, 教授 (00010679)
坂田 勝 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016296)
岸 輝雄 東京大学, 工学部, 助教授 (40011085)
西川 友三 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (90005215)
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研究概要 |
重点領域研究の研究項目を具体的に説定した, そのうち,最も特徴的な項目を三つだけ下記する. I.セラミックスなど無機系材料における繰返し応力下でのき裂成長速度や破壊寿命が (1)時間だけできまるのか,(2)繰返し回数だけできまるのか,(3)あるいは,その双方に依存するのかについては,従来の研究結果の調査では不明であった. そこで,本研究組識による研究の結果,繰返し速度の範囲によって,また,アルミナセラミックスや窒化硅素などセラミックスの成分,組識によって,上記の何れの特性(すなわち(1),(2),(3)の特性)もがあらわれることがわかった. 炭化硅素は(1),(2),(3)のいずれの特性もしめさず,負荷応力の大きさだけで規定されるらしいこともしめされた. 構造材としての実用に結びつくためには,本項目を系統的に研究して明確にすることが緊要である. との結論に達した. II.セラミックスなど無機系材料の破壊靭性は従来の破壊力学によっては評価できないことがわかった. その原因は,この種の材料では当核き裂の近傍に他の欠陥(き裂など)が存在し,その相互作用によるものとして説明された. したがって,き裂と近傍の他の欠陥との相互作用をとり込んだ. ないしミクロとマクロを結合した破壊の力学の構築が必要である. IIIセラミックスなど無機系材料の破壊靭性がIIに述べたように従来の破壊力学によって評価できない理由のもう一つは,脆性破壊のクライテリオンが未だ確立されていないことであるという結論に達した. すなわち,エネルギー釣合条件と局所限界応力条件の両条件を充足することを破壊のクライテリオンとしなければならないことが結論された.
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