研究概要 |
昭和62年8月30日,静岡市において第2回班会議を開き,昭和63年2月19日と20日,岡崎国立共同研究機構生理学研究所において第1回班会議と研究会を開き,6名の外国人研究者も参加した. この総合研究(B)の調査を基礎に重点領域「脳腸ホルモンの分泌と効果」として申請書を提出した. この申請書にもられた研究調査内容は次の通りである. 1.脳腸ホルモンの起源と進化. 動物系統の広い範囲にわたって,脳腸ペプチドの存在を検索し,分泌細胞を同定し,抽出し,各種動物の機能,成長,行動に対する作用を調ベる. 2.脳腸ホルモン分泌源といての細胞,動物身体の各部に分布するニューロンとパラニューロンが分泌(広義,摂取,生合成,移送,貯蔵,放出)している脳腸ペプチドを同定し,分泌過程を探る. 3.受容認識における信号物質としての脳腸ホルモン,神経伝達,ホルモン,免疫,腫瘍発現などに関与する新しいペプチドの探索,それらペプチドの合成.それらペプチドの受容体構造と細胞内情報伝達について調べる. 4.ニューロンとパラニューロンの刺激受容と情報伝達物質の分泌. 副腎髓質細胞やニューロンを培養し,成長促進抑制効果を中心に分析し,中枢神経系成熟過程に及ぼす効果を確かめる. 5.内分泌腺としての脳,神経分泌細胞の機能の効果,摂食行動および下垂体腺葉の機能に及ぼす脳腸ホルモンの作用を解析する. 6.病態における脳腸ホルモンの役割. 病態に関与する脳腸ホルモンの作用を新生仔,腫瘍,疾患モデル動物について研究し,人間の病気と比較する. 上記の研究分野の現状を調査し,研究者の研究内容を調ベ,それらを総合して重点的にに研究をすすめるための組織を作る具体作を検討して, 申請書にまとめた.
|