研究分担者 |
有田 真 大分医科大学, 教授 (60037364)
武者 利光 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (70016319)
春見 建一 昭和大学, 藤が丘病院, 教授 (00102335)
大地 陸男 順天堂大学, 医学部, 教授 (10049025)
杉本 恒明 東京大学, 医学部, 教授 (60019883)
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研究概要 |
心筋における興奮の発生と伝導の機構は今や分子レベルで解明されるべき時期に来ている. 一方, 社会の近代化に伴い突然死が増し, 社会的関心事となっているが, 突然死の主因は心臓死であり, その根低にあるものは心臓のポンプ機能を喪失せしめる重篤な不成脈であり, その治療は緊急の課題となっている. かつる学問的現状と社会的要請に鑑み, この領域の研究を重点領域研究に発展させる準備のため本研究を計画したが, 昭和62年9月11日の班会議,昭和62年10月15日の長崎における本研究名の公開シンポジウム,研究代表者と研究分担者間の個別的な情報交換を通し, 昭和64年度発足の重点領域研究の申請準備を行い, 昭和63年3月3日に申請書を提出することができた. 研究代表者を昭和大学教授春見建一とし, 申請重点領域研究名を「心臓異常電気活動の分子機構とその制御に関する研究」とした. 本研究の計画の段階で立てた5項目の主要研究目的に沿い, 重点領域研究申請書においても1.心筋イオンチャンネルの構造と機能,2.心筋異常興奮発生のメカニズム,3.心筋異常興奮伝導のメカニズム,4.心筋興奮・伝導の制御機構,5.心筋細胞興奮・伝導のシミュレーションを主要研究項目とし, 各項目に8〜9名の研究者を配して計画研究とした. 心筋興奮の素子であるイオンチャンネルの構造決定というミクロのレベルの研究から, ヒトの心臓全体の電気現象のコンピュータシミュレーションというマクロのレベルの研究までを拒否し, 重篤な不整脈の治療という社会的要請にも応えようとするものであるが, イオンチャンネル蛋白の構造の決定, 再構成, 再構成チャンネルの電気生理学特性の解析, チャンネル機能修飾物質による修飾の分子機構の解明など分子レベル, サブセルラーレベルの研究に力点を置いて計画した. このようなミクロレベルの研究成果のマクロレベルの研究への還元は大きな研究成果を約束するものと考えられる.
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