研究概要 |
本研究組織の目的は, 巧妙な神経機能の発現を可能にしている神経系の形態が, どの様な分子機構によって形成されるかその仕組を明らかにし, 更にその成果に基づき神経系発達異常や系統的脳疾患の病因解明に寄与し得る強力な重点領域研究組織の成立を推進することにあった. 以上の目的のため重点領域研究として「神経回路形成の分子機構」を課題として選び, 更に4つの計画研究(1)ニューロン間選択的結合の分子機構, (2)ニューロン・グリア間認識の分子機構, (3)シナプス機能発現の分子機構および(4)神経系機能蛋白質の超微量検出と同定を策定し, 各々8人, 7人,11人および4人の計画班員を予定し, 更に15人からなる総括班を計画し, 計画研究は3年間, 総括班は4年の計画で, 文部省に63年度「重点領域研究」として申請した. その結果, 採択の内示を受けた. その後, 本重点領域研究計画の推進のため, 一回の全体班会議と, 本総合B研究班員中重点領域研究総括班長および計画班長に擬されている者による数度に亘る会議を開いた. 又, 62年11月21日〜22日に亘って, 上記全体班会議を開くと共に, 東京大学において公開シンポジウム「ニューロン間認識の選択性とその厳密性」を開き, (1)ニューロンの標的認識機構, (2)神経回路形成の細胞・分子機構, (3)移植脳内における神経回路形成の3題についての講演, および主題に関する討論を行って, 63年度発足重点領域研究「神経回路形成の分子機構」の意義, 重要性および研究の方向について共通の認識を持つことが出来た. 以上の活動を通じ, 63年度発足重点領域研究「神経回路形成の分子機構」の総括班, 計画班の組織と研究の方言を決め, 63年度における総括班の活動計画を企画することが出来た. 又, 63年2月22日, 文部省において本重点領域研究申請の審査を行い, 研究態勢を整えた.
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