研究課題/領域番号 |
62410012
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
政治学
|
研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
山本 武利 一橋大学, 社会学部, 教授 (30098412)
|
研究分担者 |
和田 守 静岡大学, 人文学部, 教授 (80007236)
吉田 裕 一橋大学, 社会学部, 助教授 (20166979)
田崎 宣義 一橋大学, 社会学部, 助教授 (40107157)
矢沢 修次郎 (矢澤 修次郎) 一橋大学, 社会学部, 教授 (20055320)
田中 浩 一橋大学, 社会学部, 教授 (20015358)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1988年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1987年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
|
キーワード | 大正デモクラシー / 地域社会 / 地方改良運動 / 産業組合 / 青年団 / 在郷軍人会 / 民力涵養運動 / 市民政社 |
研究概要 |
1 第一次大戦期における日本資本主義の急成長によって地方社会は大きく変ぼうした。工業化・都市化のすう勢が地方社会に波及し、伝統的政治・経済・社会構造が動揺した。そのなかで地方社会の自立的発展の動きと国家・政府による再編の動きが対抗した。この実態を新聞記事検索と各地での実態調査を通して検証し、共同研究を進めた。 2 新聞検索では最大紙『大阪朝日新聞』『大阪毎日新聞』ならびに地方紙『静岡民友新聞』の関係記事を精査するとともに長野県、福岡県などで全国紙と地方紙の競合関係を分析した。また、新聞記者の社会的進出とその活動状況の調査を通して地方ジャーナリズムの実態とその果した役割の大きさを把握することができた。 3 実態調査にあたっては各種地域集団の動向に着目した。産業組合 商業会議所 労働組合 農民組合 青年団 在郷軍人会をはじめ、「青年党」ともいうべき市民政社や文化団体などである。官僚ー地主ー既成政党の支配体系から自立して諸利害・要求を噴出させる動きと地域社会への利益誘導による国民統合再編成の動きが交錯する状況を分析し、政治国家体制の動揺と15年戦争期の国家総動員体制にはさまれた大正期の特色を抽出することができた。 4 大正期地方社会の規定要因として第一次大戦後のベルサイユ体制やロシア革命などの国際環境も重要である。国際協調とデモクラシーの潮流が地方社会の統合原理として波及した。その立憲統治原理と伝統的な国民道徳論的総統原理の交錯状況について代表的イデオローグの言説を分析した。 5 さらに「共同研究」を積み重ね、その成果を山本武利編『大正期地方社会の自立化と再編』(御茶の水書房)として刊行する予定である。
|