研究課題/領域番号 |
62420014
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地質学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小川 勇二郎 九州大学, 理学部, 助教授 (20060064)
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研究分担者 |
西山 忠男 九州大学, 理学部, 助手 (10156127)
中田 節也 九州大学, 理学部, 助手 (60128056)
浜本 礼子 九州大学, 理学部, 教務員 (40089917)
佐野 弘好 九州大学, 理学部, 助手 (80136423)
坂井 卓 九州大学, 理学部, 助手 (70128023)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
18,800千円 (直接経費: 18,800千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 16,800千円 (直接経費: 16,800千円)
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キーワード | 付加体 / プレートの沈み込み / 中央海嶺玄武岩 / ホットスポット玄武岩 / 大洋底 / 海山 / EDS化学分析 / 前弧域玄武岩 / MORB / ホットスポット起源 |
研究概要 |
研究者らの最も主要な成果は、本邦付加体中の玄武岩類の起源を明らかにしたことである。即ち、本邦には古生代ペルム紀から第三紀にいたる付加体が数列にわたって形成されているが、その中に含まれる玄武岩類はかつては地向斜に噴出したものと考えられていた。我々の層序と大構造の研究により、それらはもともと大洋底を構成していたか海山かであったものが、プレートの沈み込みによって陸側に付加したものであると考えられるようになっていた。地向斜とされたものは、実は海溝であり、地向斜堆積体は海溝付加体であると考えられるようになった。これらの考えを補強するために、それらの玄武岩類と堆積物とが構造的接触関係であることを確認した上で、玄武岩の化学組成にもとづいて、その起源を明らかにすることを試みた。 まず、主要元素組成から、多くは高アルカリソレアイトないしアルカリ玄武岩であることを確認した。ついで、微量元素分析にもとづいて、ホットスポット(アルカリ及びソレアイト)、中央海嶺玄武岩(MORB)及び島孤の玄武岩の少くとも四区分が可能であることを、九州の第三紀〜第四紀玄武岩・安山岩瀬で確かめた。その上で、付加体中の玄武岩の分析を行い、その起源を判別した。その結果大別してMORBとホットスポット玄武岩に産状ごとにはっきりと区分されることが判明した。即ち比較的大規模なスラブとして産し、上位にチャートを判うものはMORBであり、しかも多くは深所での変形・変成を受けている。一方頃較的小規模で上位にしばしば礁性の石灰岩を伴うものはホットスポット玄武岩であり、しかも多くは強い変形・変成を受けていない。前者はプレートの沈み込み過程で深所ではがされた大洋底そのものであり、一方後者は海溝斜面で堕落したか、浅所ではがされた海山であると推論される。前者の例として四万十帯地帯のもの、後者の例として、秋芳・美濃・神瀬地域のものがある。
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