研究課題/領域番号 |
62440041
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
矢崎 義雄 東京大学, 医学部・第三内科(病), 助教授 (20101090)
|
研究分担者 |
小室 一成 東京大学, 医学部・第三内科(病), 医員
倉林 正彦 東京大学, 医学部・第三内科(病), 助手 (00215047)
土持 英嗣 東京大学, 医学部・第三内科(病), 助手 (90197715)
山沖 和秀 東京大学, 医学部・第三内科(病), 助手 (70182409)
磯部 光章 東京大学, 医学部, 助手 (80176263)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
24,100千円 (直接経費: 24,100千円)
1989年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1988年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1987年度: 14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
|
キーワード | 遺伝子工学 / ミオシンアイソザイム / 心肥大形成機序 / ミオシン遺伝子 / プロモ-タ-活性 / CArG BOX / モノクロ-ル抗体 / 心筋細胞 / 心肥大 / cーfos / プロモ-タ-機能 / CATアッセイ / Northern blot / ヒト心筋ミオシン重鎖遺伝子 / ヒト心筋ミオシン軽鎖遺伝子 / Northern blot解析 / 心筋肥大 / 心筋症 / 胎児型ミオシン |
研究概要 |
本研究は、細胞工学及び遺伝子工学を用いて、これまでアプロ-チが困難であったヒトの心筋における病態生理を分子生物学的な観点から解析し、心筋の肥大と分化の過程を収縮機序の中心的な役割を担い、収縮エネルギ-の変換に直接関与する収縮蛋白のミオシンを指標に、蛋白分子生理学及び遺伝子レベルから検討を加え、心肥大の形成機序や心筋症を中心とした心疾患の病因と病態を解析した。まずヒトの心筋にもATPase活性の異なるミオシンのアイソザイムが存在し、負荷により肥大形成されるとともに、ミオシンアイソザイムもエネルギ-効率のよいβタイプに変換されることを特異的に反応するモノクロ-ナル抗体を開発して示した。このミオシンアイソザイムの変換機序を遺伝子レベルで解析するために、ミオシン分子を生合成する重鎖と軽鎖の遺伝子をヒト遺伝子ライブラリ-からクロ-ニングし、その発現調節を行うプロモ-タ-領域を含めてその構造を解析した。その結果、αとβタイプのミオシンサブユニットを生合成する遺伝子は独立に存在し、負荷が加わった際には、βタイプの心室筋型ミオシンの遺伝子がup regulateされて発現することが示された。そしてそのプロモ-タ-解析により、CArG boxと呼ばれるCC(A+T-rich)6GGの配列が重要であり、またCキナ-ゼ、Aキナ-ゼにも反応しうる配列も有することを明らかにした。一方、一次的に心筋障害をきたす心筋症において、モノクロ-ル抗体を用いて胎児型ミオシンが出現することを示したが、対応する遺伝子のクロ-ニングが必要となった。さらに、心筋に加わる負荷による肥大形成の生化学的な機序を解明するために、培養心筋に直接機械的ストレスを与える装置を開発し、ストレスにより蛋白の生合成が亢進するとともに、核内癌遺伝子のc-fosの発現を認め、これにはCキナ-ゼ系の関与が示され、心筋の病態生理をこのような分子生物学的なレベルで明らかにした。
|