研究課題/領域番号 |
62440042
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
多田 啓也 東北大学, 医学部, 教授 (20046907)
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研究分担者 |
菊地 正広 東北大学, 医学部・附属病院, 助手
大浦 敏博 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10176828)
菊地 正宏 東北大学, 医学部・附属病院, 助手
石沢 志信 東北大学, 医学部, 講師 (60158748)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
24,100千円 (直接経費: 24,100千円)
1990年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1989年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1988年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1987年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
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キーワード | 非ケ-トシス型高グリシン血症 / グリシン開裂酵素 / 出生前診断 / 非ケト-シス型高グリシン血症 / 遺伝子診断 / グリシン開裂反応 / 高グリシン血症 / グリシン脳症 / グリシン代謝 / 先天代謝異常 |
研究概要 |
非ケト-シス型高グリシン血症(NKH)は新生児期から著明な中枢神経症状を示し数週以内に死亡するか、生存し得ても重度の中枢神経障害を呈する神経難病である。本症はグリシン開裂酵素の欠損に基づくが、新生児型の大部分はグリシン開裂酵素のP蛋白の欠損によることが我々のこれまでの研究により明らかにされている。そこで我々はヒトP蛋白をコ-ドするcDNAをクロ-ニングし、これを用いてP蛋白欠損を示した症例のゲノムDNAの解析を行なった。8例の肝より抽出したゲノムDNAを数種類の制限酵素で消化し、サザンブロット解析を行なった結果、中1例においてPst Iにより0.5kb,Sac Iにより0.6kb,Taq Iにより1.5kbのバンドが特異的に消失しており、遺伝子の部分欠失があるものと推測された。4つに分割したcDNAプロ-ブを用いて調べた結果、この例の欠失部位は5'側の一部にあることが判明した。 また別のNKH兄弟例(新生児型でP蛋白活性欠損に基づくことが肝で確認されている例)の弟(5才時死亡)の剖検肝を用いP蛋白mRNAをcDNA化し構造解析を行なった結果、蛋白翻訳領域に三塩基の欠失が見出された。この結果N末端より756番目のフェニルアラニン1個が欠落したP蛋白が作られていることが判明した。さらに検索の結果この変異は19エクソンに存在することが分った。次いで正常のP蛋白cDNA及び変異P蛋白cDNA(上述の三塩基欠失を有するcDNA)をそれぞれ発現ベクタ-(pーEUKーc)に組込み、それぞれのベクタ-をリポフェクチン法によりCos7細胞に導入し、48時間培養後にそれぞれの細胞のP蛋白活性を測定した。その結果、正常のP蛋白cDNAを導入した細胞では著明なP蛋白活性が認められたが、変異cDNAを導入した細胞ではP蛋白活性は全く認められなかった。この所見はこの変異がP蛋白活性低下の原因となっていることを示すものである。
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