配分額 *注記 |
26,700千円 (直接経費: 26,700千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1988年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1987年度: 10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
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研究概要 |
(1)ヒト骨肉腫の癌遺伝子の検索をヌ-ドマウス移植株10株で行った。Cーmycの増幅を1株で認めた。mーRNAについては、Cーmyc,4株,CーHーras,4株,Cーfos,1株で検出された。Cーmyc m RNAを検出した移植株は高い腫瘍増殖性を示した。またCーfos m RNAの転写量が増強するとヌドマウスでの肺転移率は上昇した。ウイスタ-系ラットの骨芽細胞由来培養細胞にCーmyc+EJras,EIA+EJrasをトランスフェクションした。いずれも骨芽細胞のトランスフォ-マントを形成し,ヌ-ドマウスに造腫瘍性を獲得した。(2)1例のヒト骨肉腫から4E11,1例のヒト骨肉腫由来培養細胞から2H10,2D3のモノクロ-ナル抗体を作製した。これらの抗体は8例のヒト骨肉腫の全例と反応した。認識抗原としてAlpase恬性が認められたが,肝,腎,小腸との反応性はなかった。(3)ヒト骨皮質から骨Ca結合蛋白(BGP)を精製した。BALB/cマウスに免疫して5種のモノクロ-ナル抗体を得た。いずれの抗体も27例のヒト骨肉腫全例と反応した。この抗体が認識する抗原をアミノ酸分析したが,ヒトBGPと一致していた。(4)ヒト骨肉腫のヌ-ドマウス移植株から4種の培養細胞株を樹立した。これらはYuhasの方法でスフェロイドを構築した。X線照射でスフェロイドの増殖は抑制されるが再増殖した。C´ーAdo処理を加えることによって再増殖が抑えられるところから,骨肉腫においてもC´ーAdoの放射線培感作用が示された。(5)肉腫細胞と間質マトリックスとの対応関係を,14例のヒト骨肉腫で観察した。フィブロネクチン受容体(VLA4)は全例で認められたが,ラミニン受容体(VLA1.2.6)の発現はまれであった。一方,VLA3は肉腫細胞の周辺への浸潤部で強く発現していた。このことは,ある種のマトリックス受容体の発現増強は,肉腫細胞の浸潤能と関連性があることを示唆していた。
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