研究課題/領域番号 |
62440080
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児・社会系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
黒田 敬之 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10013939)
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研究分担者 |
鈴木 聖一 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90187732)
須佐美 隆文 (須佐美 隆史) 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (80179184)
野口 規久男 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (70014149)
大山 紀美栄 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (90014216)
寺島 多実子 東京医学歯科大学, 歯学部, 助手 (90188673)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
34,600千円 (直接経費: 34,600千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
1988年度: 11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
1987年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
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キーワード | 先天異常 / 歯科矯正 / 下顎頭 / 口蓋粘膜 / 瘢痕組織 / 咀嚼筋 / 細胞培養 / 外部刺激 / 開閉口筋 / 下顎頭軟骨 / 成長発育 / 組織培養 / 酵素抗体法 / 兔疫組織化学 |
研究概要 |
本研究は、まず正常組織の生物学的性状の解明を進め、次に病態下における変化、さらに外部刺激による正常状態と病態との可逆性の検討を行った。主な検索対象組織は、下顎頭、口蓋粘膜、咬筋、顎二腹筋とした。 下顎頭については、まず光学・電子顕微鏡、生化学的分析、モノクロナル抗体を用いた免疫組織化学により正常構造を解明した。その結果、下顎頭特有の層構造および特異な発生機構が明らかとなったものの、長管骨と類似した点も多くみられた。また、病態モデルとしてコルヒチン投与、脳下垂体摘出を行ったところ、その反応性に長管骨との相違が見られた。こうした結果は、下顎頭が成長の場であると同時に顎関節としての機能を有すために起こるものと思われた。 口蓋粘膜については、正常構造、粘膜骨膜切除創の治癒過程を病理組織学的に検討し、さらに形成期の瘢痕組織から線維芽細胞を培養した。その結果、瘢痕組織由来線維芽細胞は、正常組織の線維芽細胞と異なった機能を営んでおり、各種薬物、成長因子に対する反応性は低いが、HeーNe レ-ザ-の至適照射により細胞増殖活性が高まるというようなことが、示された。こうした結果は、瘢痕拘縮の形成機序や矯正治療後の後戻りを考える上で、重要な所見と思われた。 咬筋、顎二腹筋については、筋線維の酵素組織化学的検索により、これらの筋が速い収縮運動を行っていること、同一筋臣束内においても、部位により筋機能の差があること、四肢筋とは異なる機能を営んでいることが明らかとなった。次に、これらの筋の腱を切断したところ、筋線維の変性がみられたが、この変性は切断後すみやかに腱を再付着させてやることにより低く抑えられた。こうした所見は、顎変形症の外科的矯正治療に際し、咀嚼筋群の積極的な腱切断や再付着が、治療効果の向方に寄与する可能性を示すものと思われた。
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