研究課題/領域番号 |
62450015
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古畑 和孝 東京大学, 文学部, 教授 (80052231)
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研究分担者 |
坂元 章 東京大学, 文学部, 助手 (00205759)
明田 芳久 上智大学, 文学部, 助教授 (80159350)
岡本 浩一 東京大学, 文学部, 助手 (60177087)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1988年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1987年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 道徳性(の継時的変化) / 道徳性診断検査 / 内面的形成水準 / 外面的行動傾向 / ソシオメトリック・ステータス(社会測定的地位) / 問題行動 / 中学生の道徳性 / 道徳性 / 内面化 / 思いやり / 自己確立 / 生活規範 |
研究概要 |
1.外面的行動傾向と内面的形成水準の継時的変化、前年度作成になる道徳性テストでの結果によれば、この両側面とも学年が上がるにつれ、かえって低下する傾向が認められた。では道徳教育の実践とはどう関係するか。小学校1〜6年、13学級、322名を対象に、1学期末と3学期末に約8ヶ間間隔で2度このテストを施行した。その結果、外的行動傾向には有意な変化がなかったが、内的形成水準は、総合と思いやりの領域で有意な上昇傾向が認められた。また道徳教育に熱心な教師の学級では、一般の学級より、両側面とも向上の比率が高かった。 2.道徳性と社会測定的地位との関連。道徳性の指標を、各道徳内容別、行動傾向、形成水準の3得点でとり、社会測定的地位との関連を検討した。小学校1、2、3、5年各1学級、計100名を対象とした。その結果、道徳性のいずれの指標も、被選択数、相互選択数、被排斥数の少なさなど、地位得点・地位指数などと、予測通り、正の有意な相関が認められた。道徳性テストの妥当性に関するひとつの傍証でもある。 3.中学生の道徳性データ。小学生高学年用版を用いて、中学生の道徳性データを得、分析した。小学生と同様、学年が上がるにつれ、かえって道徳性の各指標は低下することが認められた。女子は男子よりも高い傾向にあった。さらに、かつて問題行動の多発した荒れた学級では、普通の学級に較べ、一貫して、道徳性の各指標・得点は低かった。 4.テスト改訂の作業。テストB(形成水準)では、"あなたなら"と二人称で問う形式のものを作成したが、典型的児童名を付して"その子なら"との認知を問う版も試作し、両者を比較した。結果に有意差はなかった。さらに選択肢数の統一、設問の工夫など改訂作業を進めている。 5.道徳性は道徳的価値とも解せられるが、より広く、価値観との関係の吟味をも進行させつつある。中・高・大学生・成人を対象として。
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