研究課題/領域番号 |
62450016
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
辻 敬一郎 名古屋大学, 文学部, 教授 (20023591)
|
研究分担者 |
石井 澄 名古屋大学, 文学部, 助手 (70092989)
木田 光郎 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (80023654)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | ドメスティケーション(家畜化) / ジャコウネズミ / スンクス / 食虫目 / 初期行動 / キャラヴァン行動 / 生殖行動 / 性行動 / ドメスティケーション / ジャコウネズミ(またはスンクス) / 攻撃 |
研究概要 |
本研究は、ジャコウネズミ(Suncus murinus)の野生個体を起源とするドメスティケーション(家畜化)をおこなって、その行動特性の経代的変化を追跡するものである。このような研究は、適切な動物種の選定、多大の時間と労力、関連諸分野との協力関係などの諸条件が充足されて初めて可能となるものであり、国の内外を問わず他に類例がきわめて少ない。しかしながら、行動適応の種内変異の発生を解明し、ひいては行動進化の基礎をなす知見を提供するという点で、その意義は大きい。 われわれは、昭和62、63年度に2回(通算8〜9回目)の野生個体の捕獲導入をおこなって、その維持・繁殖を試みたが、依然として繁殖成績が良好ではなく、初期世代の充分なサンプルを確保するに至らなかった。そこで、主題としたドメスティケーション効果の把握の試みは、引続きサンプルを得て逐次的におこなうこととし、今回その解析結果を報告することは断念した。 報告書には、沖縄県多良間島において実施した過去9回の調査と捕獲個体の導入の実績を基礎資料としてまとめた。生息地におけるジャコウネズミの分布域は年ごとに縮小しているものの、生息数の減少は憂慮されたほどには進行していないことが今回のまとめで明らかになり、作業継続の今後の見通しを得ることができた。ただ、他の生息地において採集した個体に較べて、多良間産の個体は繁殖がむづかしいとされているので、今後は飼育環境の再評価、繁殖方式の改善などにも努める必要があろう。 一方、長期にわたるドメスティケーションを経た段階の個体については、行動適応の発生的研究に不可欠の初期行動(親子関係;ことにキャラヴァン行動)および生殖行動(配偶関係;性行動)について、実験室環境下で観測をおこない、過去に得た資料と併せて検討し、それぞれの行動の基本的特性を今回明らかにすることができた。
|