研究課題/領域番号 |
62450046
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
平川 南 国立歴史民俗博物館, 歴史研究部, 助教授 (90156654)
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研究分担者 |
永島 正春 (永嶋 正春) 国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 助教授 (50164421)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1987年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 漆紙の集成 / 漆のふた紙 / 漆塗作業の工程 / 朱の分析 / 中世の漆紙 / 正倉院文書 / 文書の保存と廃棄 / 生漆とフロメ漆 / 漆紙の廃棄形態 / 漆紙の実験的研究 / 漆紙文書の復原的研究 / 武蔵野台遺跡 / 具注暦 / 集落遺跡と漆 / 出土漆の分析 / 公文書の反故 / 近江国計帳 |
研究概要 |
漆紙文書に関する総合的研究として、次のような研究を推し進めることができた。1.全国各地出土の漆紙文書の集成 全国出土漆紙のほぼ全点について実見することができ、しかも最大の出土量を誇る鹿の子C遺跡の漆紙文書については復原作業と形状詳細な観察さらには再撮影により鮮明な写真資料を作成した。全国各地の主要な資料について情報公開の準備体制をほぼ整えることができた。 2.漆紙の残在状況の分析 各地資料の漆および漆紙そのものの残在状況の観察と科学的分析による生漆かクロメ漆かの判定は漆塗作業の工程を推測し、反故紙の調達経路および年代を知る手がかりとなる。そのいくつかのデータを得ることができた。 3.朱の使用状況の把握 将来、漆紙文書に依存する朱印・朱書を検出する方法を開拓するための基礎データとして、遺存する各種の朱の成分分析を実施した。その結果、とくに集落遺跡におけ朱の使用はほとんどがベンガラであることが判明した。 4.中世の漆紙の発見 漆のふた紙は現代工人の使用でも明らかなように古代以来変わらぬ技術であると強調してきた。その予測どうおり最近中世の遺跡から漆紙が発見され、分析を実施して今後における古代の資料との比較研究を可能とした。 5.地方官衛における文書の整理・保存と反故のしくみの解明 当館蔵の正倉院文書の精密な複製を用いて古代の地方官衛において公文書や具体階級の作成の過程およびその保存さらに反故に至る経過を解明した。漆紙文書の発見は年々増加しているだけに、今後一層、学際的な総合研究を推進することが急務であると思う。
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