研究課題/領域番号 |
62460023
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大貫 惇睦 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (40118659)
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研究分担者 |
小松原 武美 筑波大学, 物質工学系(現 東北大学・理学部), 教授 (80004331)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1987年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | ドハ-ス・ファンアルフェン効果 / フェルミ面 / 希土類化合物 / 重い電子系 / 近藤効果 / ドハース・ファンアルフェン効果 / 横磁気抵抗 / ヘビーフェルミオン |
研究概要 |
希土類化合物は4f電子と伝導電子の混成の度合いにより、局在性、価数動揺、高濃度近藤効果、重い電子系などの興味ある磁性を示す。本研究では特に重い電子系のセリウム化合物を中心にして、そのフェルミ面の形状やサイクロトロン有効質量を決定した。まず、16T-超伝導マグネットにHe^3のシステムを導入して、0.45Kの低温でドハ-ス・ファンアルフェン効果と磁気抵抗が測定できる装置を約1年半かけて自作した。特徴的なことは、試料空間は通常のステンレスではなく、ガラスエポキシ樹脂を使用して変調磁場(約100 Oe)による過電流の発生を抑えた。また、ドハ-ス信号の検出方法を改善して、従来より10〜100倍感度を向上させることに成功した。また希土類化合物の単結晶育成にも幾多の工夫をこらし、CeCu_2、CeSn_3、CeIn_3、CeGa_2 等の重い電子系でさえ、0.1〜0.5μΩ-cmの極めて小さな残留抵抗値をもつ単結晶育成が可能となった。このような低温・強磁場の下で、かつ良質な単結晶を用いて約10種類くらいの希土類化合物のドハ-ス・ファンアルフェン効果の観測を後半の約1年半行った。研究が完結した物質は、CeB_6、PrB_6、CeCu_2、YCu_2、CeNi、LaNi、CeSn_3、LaSn_3、CeIn_3、NdCu_6の10種類であり、現在CeGa_2(強磁性体)のドハ-スを行っている。この中で、CeB_6は英国、サセックス大学のスプリングフォ-ド教授のグル-プ(現ブリストル大学)と共同研究を行った。またCeNiとLaNiに関しても富山大学の佐藤清雄教授グル-プと共同研究を行った。結論としてはCeB_6、PrB_6、CeNi、CeIn_3とNdCu_6のフェルミ面の形状は対応するLa化合物のフェルミ面に良く似ている。しかし、CeCu_2とCeSn_3では全く異なったフェルミ面の形状であった。また10〜20moの重いサイクロトロン有効質量を検出し、そのメカニズを議論した。
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