研究課題/領域番号 |
62460027
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鹿児島 誠一 東京大学, 教養学部, 教授 (30114432)
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研究分担者 |
斉藤 軍治 (齋藤 軍治) 京都大学, 理学部 (40132724)
毛利 信男 東京大学, 物性研究所, 教授 (40000848)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 有機超伝導 / 構造変態 / X線回析 / 高圧実験 / X線回折 |
研究概要 |
有機導体・超伝導体の特徴は、比較的低い圧力のもとではさまざまの構造的変化を生じ、それが電子物性に大きい影響を与えることである。本研究の目的は、低温・圧力下で単結晶X線回析・散乱の測定を行い、構造変化を直接に観測することによって、超伝導性などの電子物性を結晶構造の観点から究明することである。 有機単結晶からの弱い散乱X線を低温下において捕えるために、ダイヤモンドを用いた特殊な構造の高圧セルを、独特の機構をもつゴニオメ-タを開発した。これによって、0.25mm^3という比較的大きい試料スペ-スの中に約10Kまでの低温域で5Kbarまでの圧力を発生することに成功した。また、±20゚の範囲の回析角の回析X線を、セルに妨げられることなく測定することができた。 有機超伝導体のひとつβ-(BEDT-TTF)_2I_3の超格子衛星反射を、上記の実験装置で測定し、次のような結果を得た。(1)約0.4Kbarの臨界圧以下では超格子が存在するという予想を実証した。(2)しかしながら、約110K以下で超格子波数が減少することを発見した。(3)この変化が進行する速さは低圧では遅くなり、常圧では約40時間を要することを発見した。(4)この波数変化を完了した試料の超伝導臨界温度は2Kであり、そうでない場合の1〜1.5Kに比べて明らかに高い。 以上のように、この研究によって、超格子波数の変化と超伝導臨界温度との相関が発見された。波数変化がミクロには何をもたらし、それが超伝導にどのような役割を演じるのかということについて、今後研究を進めていく予定である。
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