研究課題/領域番号 |
62460087
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械要素
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
笹田 直 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016300)
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研究分担者 |
中野 隆 東京工業大学, 工学部, 技官(教務職員) (00183517)
平塚 健一 東京工業大学, 工学部, 助手 (30181168)
野呂瀬 進 東京工業大学, 工学部, 助手 (80016443)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1988年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1987年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | アモルファス金属 / しゅう動部材 / 超清浄環境 / 耐摩耗性 |
研究概要 |
前年度の研究から、B、Si、Pなどを含む金属の液体からの急冷によって作成したアモルファス金属や、PVD法によって作成したTa系、W系のアモルファス金属が、相手金属の材質によっては大きく摩耗するが、一般的には耐摩耗性に優れ、また摩耗粉も非常に細かいものであることが明らかになった。本年度は電子顕微鏡の中に摩耗試験装置を設置し摩耗粉の生成の様子を、また反射電子検出器によってアモルファス金属表面の相手材の移着状況を調べ、アモルファス金属の耐摩耗性の発現機構をより詳細に検討した。電子顕微鏡内摩耗試験装置によるとその場観察によって耐摩耗性が悪い場合はアモルファス金属のほうから優先的に摩耗していくことがはじめて知られた。また反射電子検出器によってアモルファス金属表面への相手材の移着過程が動的に観察された。また電子顕微鏡内は真空であり、その中での摩耗試験によって、真空中ではアモルファス金属および相手金属両方の耐摩耗性がさらに向上する組みあわせも見つかった。その場合アモルファス金属への相手材の移着や自身の摩耗もなく、摩擦係数も極めて低い。アモルファス金属で熱処理によって結晶化しその影響についても調べた。これは耐摩耗性の発現にとってアモルファス状態よりも多く摩耗した。これは耐摩耗性の発現にとってアモルファス状態の重要性を示すと共に、この材料の耐熱性の問題を提起した。このように本年度の研究によってアモルファス金属の摩耗のミクロな機構と摩耗しない場合の条件か明らかにされた。アモルファス金属は低摩擦・低摩耗材としてその将来が期待されていたのだが、本研究によってさらに耐摩耗性および低摩擦な材料が選拓され、アモルファス金属の超清浄環境におけるしゅう動部材への応用への指針が明らかになった。
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