研究課題/領域番号 |
62460144
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
船舶構造・建造
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
浦 環 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (60111564)
|
研究分担者 |
能勢 義昭 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (10114604)
都井 裕 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (40133087)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1988年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1987年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
|
キーワード | アンカー / 把駐力 / 超音波 / 海底土 / 強度 / 反射率 / 減衰率 / 錨泊 |
研究概要 |
錨泊の安全性を判断するには、使用しているアンカーの性能を知ると同時に、錨泊海域の海底土の性質を知り、そこでのアンカーの効き具合を適確に推定せねばならない。海底土の性質をリモートセンシング的に計測するには超音波を使用する方法があり、この可能性を検討するために、直径1800mm、深さ4150mmの円筒形のタンクの底に送受波器を設置し、その上に砂を敷き、清水を満たし、水中にハイドロフォン、水面近くに送受波器を置いて、表面反射と内部減衰を計測した。送受波器は50kHzと200kHzの2対を用いた。水中の送受波器の高さL、ハイドロフオンの高さrと、砂の深さHは任意に変えられるものとした。その物性値は排水状能の3軸試験より計測した。反射損失と土中の減衰を計測する手法を開発し、周波数の影響を調べた。次に、実用的な海底土の評価法として、標準錨を使うことを検討した。海底土の力学的特性を表わす指標である海底土把駐指数とアンカーの特性を表わす錨指数を新たに定義する。まず、代表長さLsの標準錨を錨地で引き、錨地の各位置での把駐力Hを求め、次式で定義される海底土把駐指数Hiの分布を計測する。Hi=H/Ls^3(ton/m^3)。各種アンカーと標準錨との性能を無次元把駐力で比較し、錨指数Hrを求める。錨地で本船が期待し得る最大把駐力Hmaxは次式で与えられる。Hmax=Hi×Hr×L^3(ton) 神奈川県根岸湾、兵庫県松帆の浦沖、および静岡県初島沖における実海域試験結果を用いて、海底土把駐指数および錨指数を求めた。湾内での海底の堆積層の特性の変化は大きく、アンカーが効かない場所と良く効く場所が近接して存在することがHiを用いて示された。地形および汀線の複雑な海域ではその傾向は大きいと考えられ、ここで提案する手法に基づいた広い領域の面的な調査がアンカーの把駐力を適確に推定するために有用である。
|