研究課題/領域番号 |
62460159
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工学
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
西村 仁嗣 筑波大学, 構造工学系, 助教授 (00010819)
|
研究分担者 |
白川 友紀 筑波大学, 構造工学系, 助教授 (20112021)
星野 力 筑波大学, 構造工学系, 教授 (30027130)
砂村 継夫 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (00011164)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1987年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 水の波 / 砕波 / 渦 / 流れの可視化 / 画像解析 / ラグランジュ座標系 / 数値流体解析 / 水面波動 / 数値シミュレーション |
研究概要 |
海岸過程の解析に際して隘路となっている砕波現象の解明に向けて、原理的あるいはまた巨視的なアプローチの糸口を見出すことが本研究の目的である。こうした視点から、VTRシステムによる実験データの取得、ラグランジュ表記に基づく数値解析という従来用いられなかった手法の新規開発を試みた。煮沸により比重調節されたポリスチレン・ビーズの中立散乱トレーサ、高速VTRカメラ、画像データのディジタル化のためのインターフェイス、データ処理のためのマイクロコンピュータ等のハードウェアと、平面相関法および輝度勾配法の併用によるソフトウェアの組み合わせが砕波時の鉛直断面内流速場の同時的把握を可能とした。一方、ラグランジュ流の解析に伴なう数値計算上の難点が逐次克服され、非回転運動を対象とする速度解法、ならびにより一般的な圧力解法の双方が実用化された。 これらの技法を砕波現象の相補的な実験および解析に応用した結果、波動断面内の局所的な圧力もしくは水表面近傍の圧力勾配の低下が一般的かつ本質的な砕波指標となることがわかった。ただし、進行性の砕波においては水粒子の水平速度がこうした破綻の直接の原因であるのに対し、重複性の砕波では重力加速度を基準とした鉛直速度の増大の状況が支配的要因となる。可視化とVTR撮影による流れの解析システムは、一部器材の更新によってさらに強化されるので、将来他の水理学的研究にも広く応用され得る。 別途行なわれた砕波現象の巨視的把握のための実験の結果、急傾斜海浜における4種の砕波形態の出現領域が沖波波形勾配と海底勾配を用いて明確に区分し得ることがわかった。また、砕波帯内に形成される斜降渦ならびに水平渦がそれぞれ小砕波波高と砕波時波速を用いて定義されたレイノルズ数、さらに海底勾配を含む無次元数等の異なる領域で発生することが知られた。
|