研究課題/領域番号 |
62460185
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鈴木 哲郎 筑波大学, 物理工学系, 教授 (70045988)
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研究分担者 |
小島 誠治 筑波大学, 物理工学系, 講師 (90134204)
大嶋 建一 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (70109271)
大塚 和弘 筑波大学, 物質工学系, 教授 (50029881)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1987年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | Cu-Al-Ni合金 / マルテンサイト変態 / 前駆現象 / アコ-スティックエミッション / 超音波共鳴法 / 弾性係数 / 熱力学的揺らぎ / エントロピ- / X線散漫散乱 / アユースティックエミッション / 熱力学的非平衡状態 / 熱力学的平衡状態 / 構造相変態 / ソフトモード / 双晶境界 / アコーステイックエミッション / セルラーオートマタ |
研究概要 |
本年度は、Cu-Al-Ni合金におけるMs温度を示差比熱測定により決定し、アコ-スティックエミッションは確かにMs温度以上でも観測されることをかくにんした。従ってMs温度以上におけるアコ-スティックエミッションはマルテンサイト変態の前駆現象の性格を持つことを確認した上で、試料温度を一定に保ったときの観測頻度の時間変化を測定した。その結果、Ms温度以上に於けるアコ-スティックエミッションもMs温度以下で現われるアコ-スティックエミッションと全く同様に試料温度を一定に保つとその観測頻度は時間の経過と共に減少することをたしかめた。さらに、超音波共鳴法によりMs温度以上領域における弾性係数の時間経過による変化も測定し、弾性係数の変化も試料温度を一定に保持した場合にはアコ-スティックエミッションと同様に時間経過とともに減少することを確かめた。 以上の結果、マルテンサイト変態の前駆現象は二次相変態に於ける前駆現象とは全く異なる性格を持つ事が明らかになった。これはMs温度に於て初めてマルテンサイト相が現われるのではなく、Ms温度以上に於てもマルテンサイト相核は存在する事を意味するものである。 マルテンサイト前駆現象およびそれと関係の深い現象の研究者の参加を要請し筑波大学において開催した研究会において、これらの結果を報告し参加者の意見をもとめた。マルテンサイト前駆現象が熱力学的揺らぎよりむしろ静的性格を持つことについては、本研究ばかりではなく一般的実験事実として認められつつある事が確認された。今後の問題は、マルテンサイト前駆現象の原因となっているマルテンサイト核の存在を可能にするには大きなエントロピ-の存在が必要であるが、それがどんな機構により達成されているかである。
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