研究課題/領域番号 |
62460229
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
戸田 三朗 東北大学, 工学部, 教授 (60005387)
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研究分担者 |
黒川 政秋 東北大学, 工学部, 助手 (70143021)
堀 豊 東北大学, 工学部, 助手 (20173619)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 反応度事故 / 過渡二相流 / 凝縮気泡 / ボイド率分布 / 画像処理 / 非凝縮性ガス / 過度二相流 / 画面処理 / 二相流 |
研究概要 |
今年度は、前年度に引続き、水冷却型原子炉の反応度事故時に過渡沸騰により発生した蒸気ボイドがサブク-ル水中で凝縮、消滅していく過程を模擬した過渡二相流実験を実施した。実際の反応度事故時には、燃料棒被覆管の主材料であるジルコニウムと水及び蒸気とが1000℃以上の高温で反応し、水素ガスが発生することが予想される。この非凝縮性ガスである水素ガスが、流動している蒸気泡と混合した場合、蒸気泡の凝縮・消滅挙動に大きな影響を及ぼすと思われる。従って、今年度は試験部に非凝縮性ガスとして窒素ガスを混入し、その混入量により加熱部で発生した蒸気の加熱部以降の非加熱部における凝縮量がどの様に変化するかを調査した実験を行った。その結果、窒素ガスの流量が増加するに従って、凝縮による流れに沿った断面平均ボイド率の減少の曲線の傾きはゆるやかになり、非凝縮性ガスの存在により蒸気凝縮率が小さくなることが明かとなった。これは、蒸気と窒素ガスが混合して気泡を形成した場合、蒸気の分圧が低くなり、気液界面近傍の液温での飽和蒸気圧より低下することが原因の一つと考えられる。このため、界面付近の液相が蒸発し、気液界面と周囲サブク-ル液との温度差が減少することにより、蒸気相の凝縮速度が小さくなる。また、蒸気のみが凝縮するため界面付近の窒素ガスの濃度が高くなり、蒸気とサブク-ル液を遮る膜となって、凝縮を阻害することも原因の一つとして考えられる。 本研究では、流れに沿った断面平均ボイド率の変化を測定するために、画像処理技術を用いた二相流計測法を新たに開発しているが、試験部を流動する二相流の相判別は画像処理によりコンピュ-タに代行させている。今年度は、その相判別プログラムを改良することにより、昨年度まで気液界面位置の正確な計測が困難であった小気泡の分散した気泡流においても、正確な気泡形状の測定が可能となった。
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