研究課題/領域番号 |
62470005
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学一般
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
井早 康正 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (30017280)
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研究分担者 |
成沢 孝敏 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (30143712)
伊藤 博敏 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (30017389)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1987年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 高出力マイクロ波掃引 / スピン副準位 / 時間分解電子スピン共鳴 / 励起三重項状態 / 磁気円偏光二色性(MCD) / 磁気円二色性 / 光化学初期過程 / スピン分極 / エキシマーレーザー / 三重項スピン副準位 / りん光スペクトル / 系間交差 |
研究概要 |
本研究計画の中心は、2GHzから8GHzに至るかなり広範な波長領域に亙って高出力(10W以上、できれば20W程度まで)なマイクロ波が得られるようなFETアンプを試作することにあった。特定の固定波長についてこの程度の増幅をすることはさして困難ではないが、広い波長領域に亙ってこのような高出力マイクロ波を掃引することは至難事である。約1年をかけて一応(6ー8GHzは未定)目的にかなうFETアンプを完成した。次に、このような高出力マイクロ波を使用するときに必要な減光器を作成せねばならなかった。これは第2年次にほぼ完成した。試料を三重項状態に励起するためにXeclエキシマー・レーザーによって先づ励起一重項に励起し、系間交差によって励起三重項を実現した。この2ピン副準位間の飽和回復に上記の高出力マイクロ波を掃引し、そのときのりん光MCD(磁気円偏光二色性)スペクトルを観測した。この方法の特長は、リン光が微弱で観測不可能な試料に対して極めて有効であることがわかった。その例としてはナフトキノンが第一にあげられる。また、無水フタル酸およびその誘導体、無水ピロメリット酸およびその誘導体についても本計画による測定を行った。これらの試料は光の作用の下で激しい光化学反応による変化を受けるので、同時に溶液中の試料について時間分解電子スピン共鳴の測定も行った。これらのりん光微弱な試料についての本計画MCD検出は予想以上に良好で、将来いろいろな未知物性をもつ試料への応用が期待される。寿命の短い励起三重項状態について、本研究計画を時間分解測定へと改良して応用することも今後の課題として有望である。
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