研究課題/領域番号 |
62470020
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
片桐 孝夫 静岡大学, 工学部, 教授 (60021995)
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研究分担者 |
高部 圀彦 静岡大学, 工学部, 助教授 (30022239)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1987年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 3ーメチルー2,4ーペンタジエンニトリル / 電解還元二量化 / 1,8ージシア,1ー2,7ージメチルー2,6ーオクタジエン / 3,7ージメチルー2,7ーオクタジエンー1ーオール(イソゲラニオール) / 共役ニトリルのReformatsky型反応 / 3ーヒドロキシー3ーメチルー4ーペンテンニトリル / 3ーメチルー2.4ーペンタジエンニトリル / イソゲラニオール |
研究概要 |
3ーメチルー2,4ーペンタジエンニトリルをこれまでとは全く異なる新しい方法で合成することに成功した。すなわち、アセトニトリルからブチルリチウムで発生させたカルボアニオンをメチルビニルケトンに反応させ、収率約90%で3ーヒドロキシー3ーメチルー4ーペンテンニトリルを得た。これを室温でオキシ塩化リンーピリジンーエーテル混合物と50時間攪拌することによって脱水し、収率67%で求めるジエンが得られた。 3ーメチルー2,4ーペンタジエンニトリルの電解還元二量化では、二量化物の収率は40%を越えなかったように、この化合物は重合し昜い事がわかった。また二量化における温度によって生成物に特異性のあることがわかり、低温(-5℃)では、非共役型の二量体のみが得られた。この化合物は新規物質で、融点約70℃の白色結晶であった。温度が上昇するにつれて、共役型生成物の比率が増加した。この事から、電解還元二量化についての反応機構の解明を行ったが、十分の解明はできなかった。 ジエンニトリル合成の中間体である3ーヒドロキシー3ーメチルー4ーペンテンニトリルが収率良く合成できることが見出されたので、これを用いた天然物合成を行った。害虫であるカイガラムシや王蝶のフェロモンは共通した炭素骨格をもち、それらは3,7ージメチルー2,7ーオクタジエンー1ーオールから合成される方法はすでに報告されている。そこで、このヒドロキシ化物のアリル転位を伴うアセチル化を行い、5ーアセチルー3ーメチルー3ーペンテンニトリルを合成した。これと臭化メタリルとのReformatskj型反応によって基本骨格を形成し、生じたカルボニル基の還元を、ホウ水素化ナトリウム、メタンスホニルクロリド、および水素化リチウムアルミニウムを反応させて求めるアルコールを合成することに成功した。
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