研究課題/領域番号 |
62470021
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
谷利 陸平 京都大学, 理学部, 助教授 (60025377)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1987年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | ジアニオンの反応 / カルバニオンの立体化学 / アルキル化反応の立体化学 / 立体選択的反応 / 有機硫黄化合物 / ヘテロ原子化学 / スルホキシド / キラル化合物の合成 |
研究概要 |
1.100%e.e.のキラルなβーヒドロキシスルホン(I)、γーヒドロキシスルホン(II)、γーヒドロキシニトロ化合物の容易な合成法が、対応するケトンのパン酵母還元を利用することにより可能となった。亜鉛カチオンのキレーションを利用したβーケトスルホキシドのD1BAL還元により、βーヒドロキシスルホキシドのジアステレオマーもそれぞれ100%e.e.で合成された(IV)。 2.これらキラルなアルコールI〜IVのジアニオンはいずれもカルボニル化合物と容易に反応し炭素ー炭素結合生成が可能であった。又キラルなI、II、IVのジアニオンもアルキル化されることが判った。I、IVのジアニオンのアルキル化反応、カルボニル化合物との反応がいずれも立体選択的に進行し、その選択性は分子内キレーションの有無によって説明できた。 3.これらジアニオンのカルバニオの反応において、カルボニル化合物は金属対カチオンの存在する側から近づくのに対し、アルキル化剤は立体的に込み合わない方から近づくことが判った。これはカルバニオンの反応の解明に大いに役立つ発見である。 4.IVのジアニオンにおいてカルバニオンの反転が認められるのに対し、Iでは全く認められなかった。カルバニオンのコンフィギュレーションに対する金属カチオン配位の重要性を明らかにすることができた。 5.100%e.e.のI〜IVが容易に合成できること、炭素ー炭素結合生成の容易なことから、I〜IVは種々のキラル化合物合成の出発原料となることが期待でき、実際に、γーおよびδーラクトン類、テトラヒドロフラン類、アリルアルコール類が100%e.e.で合成できた。
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