研究課題/領域番号 |
62470027
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天然物有機化学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
柿澤 寛 筑波大学, 化学系, 教授 (50015492)
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研究分担者 |
新村 巖 鹿児島県水産試験場, 技師
原 慶明 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (60111358)
楠見 武徳 筑波大学, 化学系, 講師 (70015882)
井上 幸信 筑波大学, 化学系, 助教授 (00015570)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1987年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 他感性物質 / オキナワモヅク / スサビノリ / オクタデカテトラエン酸 / アカシオ / シアノビリジン / Adda / 絶対配置 / ヘテロシグマ / オキナワモズク / エイコサペンタエン酸 / アラキドン酸 / 褐藻の生理活性物質 |
研究概要 |
オキナワモズクが生育している周囲の海水中に放出する他感性の活性物質を単離するために、最初に生物検定法を確立した。自然界の海藻は四季を通じて形態が変化するので実験室でバイオアッセイの材料にすることはできない。しかしながら生活史の全ての段階をいつでも作り出すことの出来るスサビノリについて検討したところこの他感性物質はコンコセリススポアが着床する前に胞子を殺してしまうことが明らかになり、これを利用して生物検定法を確立した。短日条件下においたコンコセリスから放出される胞子を海水中に浮かべた筏に付着させた後一週間生育させて胞子数を測定できるようにし、同一条件で海水中にオキナワモズクの抽出物を加えて胞子数を測定して他感作用の活性をしらべた。これによりオキナワモズクの他感性物質の作用する段階は明らかになったが、生物検定に日数がかかり精製に不便であった。このためさらに他の生物について検討した結果植物性のプランクトン・ヘテロシグマアカシオを急速に死滅させることが明らかになったためこれを用いて精製の際の生物検定とした。各種のクロマトグラフィイ-を用いて精製を行いC18H28O2の組成を持つ活性物質を単離し、各種のスペクトルにより6Z,9Z,12Z,15Z-octadecatetraenoic acid(ODTA)と決定した。この構造は標品と比較することにより確認した。この他感性活性物質はスサビノリだけでなくワカメなどの褐藻の生育も阻害することが明らかになった。ODTAがヘテロシグマにたいして強い活性を示すことから、そのほかの微細藻、とくに赤潮プランクトンに対する作用にも興味がもたれた。ODTAは約30種の植物性プランクトンに対して強い活性を示し3ppmの濃度で数分以内に死滅させた。さらにこのようなプランクトンに対してODTAだけでなくてアラキドン酸、エイコサペンタエン酸のような高度不飽和脂肪酸も同程度の強い作用を示すことが明らかになった。
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