研究課題/領域番号 |
62470029
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天然物有機化学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山田 静之 (山田 靜之) 名古屋大学, 理学部, 教授 (90022540)
|
研究分担者 |
木越 英夫 名古屋大学, 理学部, 助手 (90169839)
小鹿 一 名古屋大学, 理学部, 助手 (50152492)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
|
キーワード | ワラビ / 発癌物質 / プタキロサイド / 求電子活性体 / ヌクレオシド / ヌクレオチド / 化学修飾 / DNA切断 / ジエノン / 核酸塩基 / わらび / 核酸関連物質 / DNA |
研究概要 |
植物ワラビの発癌物質プタキロサイド(1)による核酸関連物質の化学修飾に関する研究を行い、以下の結果を得ることができた。 1.プタキロサイド(1)の求電子活性体ジエノン(2)の調製。 乾燥ワラビから抽出精製したプタキロサイド(1)を塩基と反応させてジエノン(2)を調製し、これを用いて核酸関連物質の化学修飾を行った。 2.ジエノン(2)によるヌクレオシド、ヌクレオチド、DNAの化学修飾。 四種類のヌクレオシドとジエノン(2)の反応を行った。その結果、ヌクレオシドのプリン塩基とピリミジン塩基の特定位置がアルキル化されることが判明した:アデノシンではN^6位、グアノシンではO^6位とNー7位、ウリジンではNー3位とO^4位、シチジンではNー3位がアルキル化された。また二種のヌクレオチド(5′ーAMP、5′ーGMP)ではリン酸基がかなりの程度アルキル化された。サケ精子DNAとジエノン(2)の反応付加体を熱加水分解すると主生成物として、Nー3位アルキル化アデニンとNー7位アルキル化グアニンが得られた。 3.ジエノン(2)によるDNAの塩基特異的切断。 環状二本鎖DNAとジエノン(2)の反応をゲル電気泳動で追跡し、DNAが切断されることを明らかにした。ついでDNA切断の際の塩基特異性を検討した。プラスミドDNA(pBR322)から調製された3′あるいは5′末端標識二本鎖DNAをジエノン(2)と反応させ、付加体を加熱(A条件:90℃、3分)またはピペリジン存在下加熱(B条件:90℃、30分)し、ゲル電気泳動で分析した。その結果A条件ではアデニン特異的切断が起り、B条件ではグアニン特異的切断が起ることが示され、ジエノン(2)によるDNA切断の特性が明らかとなった。
|