研究分担者 |
草地 功 岡山大学, 教育学部, 助教授 (10032773)
柴田 次夫 岡山大学, 理学部, 助教授 (00108119)
山本 雅弘 岡山大学, 理学部, 助教授 (60033130)
河原 昭 岡山大学, 理学部, 教授 (40012372)
小坂 丈予 岡山大学, 理学部, 教授 (60016269)
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研究概要 |
1.2八面体型粘土鉱物のレクトライト(雲母/スメクタイト規則混合層鉱物)及びモンモリロナイト、バイデライトの膨潤性をX線回折により比較検討した。層間を種々の陽イオンで飽和し、底面間隔を相対湿度30-90%、エチレングリコ-ル及びグリセロ-ル処理などの条件で測定した。レクトライトとバイデライトは層間イオンがNa及びBaの場合、湿度30-90%間で殆んど同様の膨潤性を示す。エチレングリコ-ル処理(層間イオン、K)の場合、雲母層がNa,Kに富むレクトライトはモンモリロナントに近い膨潤性を示すが、雲母層がCaに富むものはバイデライトに類似しており、レクトライトの膨潤性は雲母類似層の化学組成にも関係すると見られる。レクトライトの膨潤性は従来からモンモリロナイトに類似すると考えられていたが、本研究の結果から化学組成と同様バイデライトに近いことが判明した。またモンモリロナイトとバイデライトの判別には従来からGreene-Kelly testが広く用いられているが、この他に層間イオンをBaとし、相対湿度50-70%でのX線回折(モンモリロナイト約15Å、バイデライト約12Å)により両者を容易な判別できることが判明した。 2.層間を種々の陽イオン(Li,Na,K,Rb,Cs,Mg,Ca,Sr,Ba,Ni,Co)で飽和したモンモリロナイトを水熱条件下で処理し、その相変化の過程を検討した。実験条件は温度300-600℃、水圧1000気圧、反応時間7〜31日である。処理温度の上昇に伴い、両鉱物とも混合層鉱物を経へ非膨潤性鉱物へ変化し、Eberl(1978)の結果と一致する。生成する混合層鉱物及び非膨性鉱物は層間陽イオンの種類により異なる。実験結果よりモンモリロナイトから混合層鉱物(特に規則型)の生成はAlに富むバイデライトを経由することが考えられる。
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