研究課題/領域番号 |
62470105
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三枝 武夫 京都大学, 工学部, 教授 (80025824)
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研究分担者 |
鈴木 将人 京都大学, 工学部, 助手 (20179253)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1989年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1987年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | パラジウム触媒 / pi-アリル錯体 / 開環重合 / ビニルシクロプロパン / 環状炭酸エステル / 環状カルバミン酸エステル / ポリアミン / 多重分岐重合 / π-アリル錯体 / 交互共重合 / グラフト共重合 / 多分岐ポリアミン / パラジウムπーアリル錯体・ポリエーテル / 樹木状ポリマー / 生長末端の増加 / πーアリル錯体 |
研究概要 |
パラジウムpi-アリル錯体の関与する有機合成反応について蓄積された豊富な知見に基づき、重合化学の立場からpi-アリルパラジウム中間体を開環重合に展開するため、いくつかの環状モノマ-の分子設計を行なった。その結果、いくつかモノマ-については重合体が得られ、全く新しい概念に基づく開環重合の新分野を開拓することができた。 環上に2個の電子吸引基(エステル、ニトリル、スルホン)を有する2-ビニルシクロプロパン類は、パラジウム触媒存在下重合し、1、5位で結合した開環重合体を生成した。この反応は、モノマ-から生成するpi-アリルパラジウム錯体が中間体となって、生長末端である活性なプロトンが次から次へと移動しながら進行するという今までにはないユニ-クな重合様式を示した。 環状炭酸エステル、5、5-_<ジメチル>-4-_<ビニル>-1、3-_<ジオキサン>-2-オン温もパラジウム触媒存在下、開始剤としてEt_2Zn/2EtOHを加えると炭酸ガスを放出しながら重合し、ポリエ-テルを生成した。また、このモノマ-はパラジウム触媒存在下、環状酸無水物と開環交互共重合体を生成した。 環状カルバミン酸エステル、_<ベルヒドロ>-5、5-_<ジメチル>-5-_<ビニル>-1、3-_<オキサジン>-2-_<オン>も同様に、1級アミン等を開始剤として開環重合し、ポリアミンを生成した。この重合反応では、成長末端であるN-H基の数が重合の進行とともに級数的に増加していくという今までには考えられなかったような重合形式を示し、その結果、生成したポリアミンは開始剤を核とする樹枝状の形状を有する多分岐構造を持つこととなった。我々は、この新しい重合反応を多重分岐重合と名付けた。また、このモノマ-では、開始剤としてアミノメチル化したポリスチレンを用いると多分岐ポリアミンをグラフト鎖に有するグラフトコポリマ-が得られた。 今後もさらに、以上の成果をふまえながら、新規モノマ-、触媒等について検討を続け、この新分野のスコ-プを拡大して行きたい。
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