研究課題/領域番号 |
62480001
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
遺伝学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小関 治男 京都大学, 理学部, 教授 (50028106)
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研究分担者 |
井口 八郎 京都大学, 理学部, 助教授 (20028195)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1987年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | ゼニゴケ葉緑体の遺伝システム / 葉緑体遺伝子の形質発現 / 原核生物型の基礎遺伝子 / グループイントロン / mRNAプロセッシング / 順序的スプライシング / トランス・スプライシング / ゼニゴケ葉緑体 / 転写単位 / RNAプロセッシング / トランス.スプライシング / 葉緑体遺伝子の発現 / ゼニゴケ葉緑体ゲノム / グループIIイントロン / RNA酵素 / セルフ・スプライシング / トランス・スプリット遺伝子 |
研究概要 |
葉緑体の遺伝子は、葉緑体内で転写、翻訳されてその機能を発現する。葉緑体のリボソームは原核生物型の70Sであり、プロモータやSD配列なども大腸菌型である。われわれはゼニゴケ葉緑体DNAの全塩基配列を決定し、127種の遺伝子を検出してきたが、そのうち約半数は葉緑体内の遺伝子発現機構に関するものであった。これらの基礎的遺伝子はいずれも対応する大腸菌遺伝子との相同性から同定されたものであり、またそれら遺伝子間の配列順序にも大腸菌との間に多くの類似性がみられた。細菌の細胞内共生説を支持するものであり、葉緑体の遺伝システムが、真核細胞の中にあって今も基本的には原核生物型であることを示している。しかしながら、一方では大腸菌などと異なり、多くの遺伝子がイントロンで分断されていることも判ってきた。イントロンは核遺伝子のものと異なり、自己触媒型のものであるが、大腸菌のように転写と翻訳が直結的に共軛できないことを意味している。われわれはゼニゴケの緑色培養細胞から葉緑体内のRNAを抽出し、転写から成熟mRNAに至る経過を解析してきた。まず、DNA上に連鎖した遺伝子は一般にかなり長いRNA分子として、まとめて転写される。そこで、これらの前駆体RNAから、数個程度の遺伝子領域を含むmRNAがプロセスされる。イントロンを含む場合には、RNAスプライシングによってそれらが除去される。この際、2個のイントロンを含むような遺伝子では、まず5′側のものから除去される傾向にある。rps/2のように、イントロンの途中でトランスに分断された遺伝子では、それぞれが別々のRNA分子として転写され、スプライシングによって連結した1本のmRNAとなる。このトランススプライシングの機構としては、グループII型イントロンのステムIII領域での相補的塩基対合モデルが提出された。
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