研究課題/領域番号 |
62480005
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岩城 英夫 筑波大学, 生物科学系, 教授 (60114039)
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研究分担者 |
鷲谷 いづみ 筑波大学, 生物科学系, 講師 (40191738)
及川 武久 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (70011682)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1989年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 遷移 / 稚樹 / ミクロサイト / 光条件 / 成長 / 発芽 / 水生植物 / 異形葉 / 植生遷移 / 光環境 / 休眠 / 微気象 / 温度 / 生長 / 更新 |
研究概要 |
本研究では、遷移の素過程をなす特定の種個体群の出現・維持・交代・消失の機構を、1.水生・湿生立地における循環的種交代、2.ススキ群落から陽樹林への遷移における木本樹種の定着過程、3.二次遷移の初期相に出現する木本先駆種の種子繁殖と成長、という3つの生態学的場面で解析した。その解析にあたり、群落内微環境、特に光環境の空間的・時間的heterogeneityの詳細な測定・把握・水生立地における循環的種交代を担うハスとコウホネ、ススキ群落に侵入する代表的な樹種であるコナラ、および二次遷移の初期相に出現するヌルデとアカメガシワの野外での成長および繁殖様式を含む生活史パラメ-タの測定、制御環境下での光合成・繁殖・ストレス耐性などに関する生理学的パラメ-タの測定・分析を行った。その結果、次のようなことが明らかにされた。 1.水生植物では、浮葉と抽水葉への物質投資とその寿命のパタ-ンが特定水面の占有や種間競争に重要な役割を果していることが示唆された。 2.一見均一に見えるススキ群落内に光環境の著しい微細空間的不均一性が認められ、平均値からみると木本稚樹の生存・成長に不適とみなされる群落内にも、比較的良好な光条件を備えたミクロサイトがかなりの割合で存在する。コナラ実生の生存・成長は、ミクロサイトの光条件に大きく依存し、大きな種子サイズや弱光適応的な成長反応などかススキ群落内での実生の定着にとって重要な意味をもっていることが示された。 3.木本前駆種の種子発芽における裸地検出機構は、無駄な発芽を防ぎ、実生の適応度を高めるのに有効であることが実験的に確認された。
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