研究課題/領域番号 |
62480020
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
江口 吾郎 (江口 吾朗) 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (80022581)
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研究分担者 |
阿形 清和 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (70167831)
児玉 隆治 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (90161950)
渡辺 憲二 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (00079691)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1987年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 修復再生 / 分化形質転換 / 脱分化 / 再分化 / 遺伝子発現調節 / 形態形成因子 / 遺伝子の発現とその調節 / 修退再生 / 形態形成の調節因子 |
研究概要 |
標記課題のもとに3か年にわたり研究を推進し、下記の成果を得た。 1.成人の色素上皮細胞にもレンズ細胞への高い分化転換能が保持されていることを世界ではじめて実証し、色素上皮細胞のレンズ細胞への分化転換性は脊椎動物に普遍的であるとする研究代表者の従来の仮説を実験的に裏付けた。また、ヒトの色素上皮細胞に由来する多能的脱分化細胞の株化に成功し、ヒトの細胞による優れて有用な分化転換実験システムの確立を基礎づけることができた。 2.色素上皮細胞及びレンズ細胞のそれぞれが特異的に発現する各種遺伝子のcDNAをクロ-ン化し、その構造を明らかにすると共に、色素上皮細胞のレンズ細胞への分化転換の全過程の細胞変化を、これら遺伝子の発現の面から詳細に記述することに成功した。また、色素上皮細胞がレンズ細胞への分化転換過程で経由する多能的脱分化細胞の再分化は、転写レベルで制御されることを明らかにした。 3.色素上皮細胞の生体外分化転換実験系による細胞外の調節因子の解析から、塩基性線維芽細胞増殖因子(basicFGF)が色素上皮細胞のレンズ細胞への分化転換に深く関与していることを明らかにした。また、色素上皮細胞の分化転換の制御にかかわると推定される2種の遺伝子のクロ-ン化に成功し、その全構造が決定された。 4.色素上皮細胞の分化形質発現の安定化に関与する細胞表面糖蛋白分子の探索に成功すると共に、この分子が生体内での虹彩色素上皮からのレンズの再生に深くかかわっていることをイモリについて明らかにした。 これらの知見は、イモリの虹彩色素上皮からのレンズの再生現象に根ざす従来の成果を飛躍的に発展させ、組織細胞の分化転換現象の成立機構の分子的理解を基礎づけるきわめて重要な成果として位置づけることができる。
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