配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1987年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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研究概要 |
脊椎動物網膜神経回路網における信号処理様式を解明するため電気生理学、形態学の実験を行った。電気生理学実験としては白色雑音を変調の光刺激を用い、各細胞の応答を記録し、相関法により1次、2次、3次の軽微変更第13回実験としては白色雑音変調の光刺激を用い、各細胞の応答を記録し、相関法により1次、2次、3次のウイナ-核を計算した。また細胞内に白色雑音変調の電流を注入し、隣接する細胞からの誘発反応を記録し、2つの神経細胞間の信号伝達関数を同定した。光刺激反応の解析から、網膜外層は変調刺激に対し線形処理を行い、網膜内層で2次、3次の神線形処理が行われることが明らかになった(Sakai and Naka,J.Neurophysiology,1987)。この信号処理システムは、動物線形-静的非線形-動的線形が直列で配列されたシステムとして置きかえることができる(Korenberg,Sakai and Naka,J.Neurophysiol,1989)。網膜内の信号処理はすべてアナログで行なわれ、網膜出力細胞である神経節細胞のスパイク発火によってはじめてポイントプロセスに変換される。この変換過程も、1次、2次の視覚情報は変調を受けずに、高次視覚中枢に伝達される(Sakuranaga,Ando and Naka,J.Gen.physiol. 1987)。これは神経節細胞のスパイク発火が静的非線形であることによって説明できる。(Korenberg,Sakai and Naka J.Neurophysiol,1989)。 以上のような直列システムも、電流注入実験の結果から、神経細胞間の相互制御システムによって成立していることが示唆される(Sakai and Naka J.Neurophysiol,1988,in press) HRPで染色した神経細胞を電子顕微鏡で観察した結果、神経節細胞を含むすべての網膜神経細胞は隣接する神経細胞と高密度に相互シナプスを形成しており、上記の生理実験の結果を裏づけている。
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