研究課題/領域番号 |
62480032
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
育種学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山縣 弘忠 京都大学, 農学部, 教授 (40026373)
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研究分担者 |
奥本 裕 京都大学, 農学部, 助手 (90152438)
谷坂 隆俊 京都大学, 農学部, 助教授 (80026591)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | イネ / 突然変異誘発遺伝子 / 細粒遺伝子 / 細胞遺伝学的解析 / 細胞遺伝子学的解析 / 染色体 / 易変遺伝子 / 細胞学的不安定性 |
研究概要 |
水稲品種銀坊種子のガンマ線照射により、劣性の1細粒遺伝子とともに誘発された突然変異誘発遺伝子(mutator)は、質的形質のみならず重要な農業形質にも多様な変異を誘発するので、新しい水稲育種技術の開発に貢献し得ると期待される。Mutatorは上記細粒遺伝子の正常粒遺伝子への復帰突然変異によって活性化されるので、その作用機作の解明にはまず細粒遺伝子の特性を明らかにしておく必要がある。本研究は以上の観点より、細粒遺伝子およびその復帰突然変異が体細胞分裂並びに減数分裂時の染色体行動に及ぼす効果を解析したものである。 1.細粒遺伝子及びその復帰突然変異が体細胞分裂に及ぼす効果:発芽期の根端分裂組織における体細胞分裂指数(MI)の推移を細粒系統と原品種間で比較したところ、細粒系統ではMIがピ-クに達するのが遅く、細粒遺伝子は細胞分裂周期を長くする作用を持つと推定された。また、発芽期の根長の推移、幼苗期の根長及び草丈、出穂日並びに稈長を細粒系統と原品種間で比較した結果、細粒遺伝子は発芽期の根長、幼苗草丈及び稈長を顕著に減少させ、出穂期を遅らせるなど、生育全期にわたって生育抑制効果を示すことが認められた。 2.細粒遺伝子及びその復帰突然変異が減数分裂時の染色体行動に及ぼす効果:細粒個体、細粒個体と原品種との正逆交雑F_1及び原品種のPMCを観察したところ、細粒個体及びF_1では移動期に解離する相同染色体を1対持つ細胞((11II+2I)細胞)がそれぞれ8.2%および4.6%の高い頻度で観察されたほか、F_1では正逆交雑による差が認められなかった。さらに、復帰突然変異頻度が互いに異なる3細粒系統間で(11II+2I)細胞の出現頻度を比較したところ、復帰突然変異頻度は(11II+2I)細胞の頻度とよく対応していた。このことから、復帰突然変異は1対の不対合相同染色体の生起と密接に関係していると推察された。
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