研究課題/領域番号 |
62480045
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
奥 八郎 岡山大学, 農学部, 教授 (20033144)
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研究分担者 |
山田 哲治 岡山大学, 農学部, 助教授 (00191320)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1987年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | エリシタ- / サプレッサ- / PAL / ピサチン / エンドウ / エンドウ褐紋病菌 / フェニ-ルアラニン・アンモニア・リア-ゼ(PAL) / PALアイソザイム / PAL(Phenylanine ammonia lyase) / HRGP(Hydroxyproーline rich ghycoprotein) / エリシター / サプレッサー / フェニールアラニンアンモニアリアーゼ(PAL) / 抵抗性遺伝子発現 |
研究概要 |
エンドウ褐紋病菌の胞子発芽液中に含まれるエリシタ-とサプレッサ-が、エンドウ防御反応遺伝子、特にエンドウのファイトアレキシンの生合成系の律速酵素として非常に重要な役割を果たすフェニ-ルアラニンアンモニア・リア-ゼ(PAL)とカルコン合成酵素(CHS)をコ-ドする遺伝子に焦点をおいて、これらの遺伝子発現にどのような影響を及ぼすかを調べた。エリシタ-で処理したエンドウ胚軸では、処理後1時間以内にPAL-,CHS-mRNAの蓄積の急激な増加がみられ、3-4時間で一旦下がり始めるが、再び増加しその後しばらくしてもとのレベルにまで下がる。これに対し、エリシタ-とサプレッサ-で同時処理すると、上胚軸におけるPAL-,CHS-mRNAは、処理後4時間後になってはじめて顕著な増加が認められ、その後はエリシタ-単独処理の場合と同様のパタ-ンを示す。即ち、サプレッサ-をエリシタ-によるPAL-,CHS-遺伝子の活性化を約3時間遅らせる作用を有する。このことは病原菌由来のサプレッサ-が、植物防御反応遺伝子の活性化を一時的に抑える役目を果たしていること示す。ジャガイモ疫病菌の親和性・非親和性レ-スをジャガイモ葉に接種後、接種部位でのPAL-mRNA蓄積量をinsitu hybridizationによって調べたところ、親和性レ-ス接種葉におけるPAL-mRNA蓄積量の顕著な増加は、非親和性レ-ス接種葉のそれに比較して、約3時間遅れるというin vivoでの実験結果(Cuypers et al.1988.Mol.Plant-Mic.Intr.1:157-160)とほぼ一致することは、サプレッサ-がレ-ス・品種の特異性や種レベルにおける宿主特異性を決定する1つの重要な因子であることを支持している。 更に、エリシタ-で処理したエンドウ胚軸からポリ(A^+)RNAを調製し、cDNAライブラリ-を作成した。インゲンPAL-cDNAをプロ-プとしてcDNAライブラリ-からPAL-cDNAのスクリ-ニングを行ったところ、6個の陽性プラ-クを得た。全長に近いと考えられる2.5kbのcDNAの部分的塩基配列を決定したところ、3'-側にはインゲン、パセリのPAL-cDNAと非常に高い共通塩基配列が見られたが、5'-側は比較的分散していた。 また、ゲノミックDNAライブラリ-を作成し、上記エンドウPAL-cDNAをプロ-ブとして5×10^6個のプラ-クをスクリ-ニングしたところ、5個の陽性プラ-クが得られた。現在、これらのクロ-ンをサザンブロット・ハイブリダイゼ-ションと各種制限酵素マッピングにより解析している。
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