• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

自己免疫の誘導による魚類の不妊化

研究課題

研究課題/領域番号 62480067
研究種目

一般研究(B)

配分区分補助金
研究分野 水産学一般
研究機関北海道大学

研究代表者

高橋 裕哉  北海道大学, 水産学部, 教授 (70001576)

研究期間 (年度) 1987 – 1988
研究課題ステータス 完了 (1988年度)
配分額 *注記
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
キーワード硬骨魚 / 自己免疫 / 精巣 / マクロファージ / 巨大細胞肉芽腫 / 精子凝集抗体 / 血液精巣関門 / ティラピア / 自己免疫反応 / 不妊化 / 精巣血液関門
研究概要

ナイルテラピアの雌雄に対する成熟精巣磨砕物の注射は血清中に精子凝集抗体を出現させた。血清の精子凝集能は免疫化1か月後にピークに達し、8か月間の実験期間を通じて相対的に高いレベルにあった。成熟途上の精巣を持つ雄に対する成熟精巣ないし精子の注射は、その約2か月目以降に精巣に特異的な細胞性免疫反応を効果的に誘導した。初め処理魚の精巣の輸精小管間の間隙に侵潤した單球とリンパ球は次いで輸精小管壁を破壊し輸精小管内腔、さらには精小嚢内腔へと侵入し、單球はマクロファージに分化して精子を活発に貧食した。リンパ球は精子貧食作用はみせなかったが、ある種の細胞毒などの放出を介して精子の排除に一役を果たすとみられた。精細胞及び他の精子形成細胞の包嚢は侵襲されず、また体細胞の損傷もなかった。免疫化後3〜4か月の精巣では、精小嚢内腔に巨大細胞肉芽腫が形成されたが、それも精子形成の進行には阻害効果を及ぼさなかった。免疫化5か月目以降には、血清中には未だむしろ高いレベルの精子凝集価が維持されているにも拘らず、精巣での細胞性免疫反応は著しく減弱するかまたは完全に不明瞭化していた。正常雄に注射されたHRPはクロマチン凝集中期以降の包嚢を除く生殖細胞包嚢内に貫入したが精小嚢及び輸精小管の内腔には侵入できず、またBSAはいずれの包嚢にも貫入できなかった。電顕的解析により、閉鎖帯を主体とするセルトリ細胞同士の接着装置及び精小嚢外周の基底膜がこれらのトレーサーに対する関門として作用していることが確認された。この血液精巣関門は内腔に面するセルトリ細胞壁には常時存在したが、基底膜に面するセルトリ細胞壁ではクロマチン凝集中期の精細胞包嚢で初めて確立された。免疫化1か月後の個体の精巣ではHRP及びBSAが共に全ての発達段階の生殖細胞包嚢内へ、さらに精小嚢と輸精小管の内腔へと侵入しており、血液精巣関門の崩壊が電顕的にも確かめられた。

報告書

(3件)
  • 1988 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1987 実績報告書

研究成果

(15件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (15件)

  • [文献書誌] 婁亜歓: 北海道大学水産学部研究彙報. 38. 14-26 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1988 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 婁亜歓: 北海道大学水産学部研究彙報. 39. 201-209 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1988 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 婁亜歓: Journal of Morphology.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1988 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 婁亜歓: Cell and Tissue Research.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1988 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Lou, Y.-H.: "Induction of autoimmune responses to testis in a tilapia, Oreochromis niloticus." Bulletin of the Faculty of Fisheries, Hokkaido University. 38. 14-26 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1988 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Lou, Y.-H.: "Chronic changes of autoimmune responses to testis material in male Nile tilapia, Oreochromis niloticus" Bulletin of the Faculty of Fisheries, Hokkaido University. 39. 201-209 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1988 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Lou, Y.-H.: "Spermiogenesis in the Nile tilapia, Oreochromis niloticus, with notes on a unique pattern of nuclear chromatin condensation" Journal of Morphology.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1988 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Lou, Y.-H.: "Blood-testis barrier and its breakdown following immunization to testis material in the Nile tilapia, Oreochromis niloticus" Cell and Tissue Research.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1988 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Lou, Y.-H.: "Characterization of sperm-agglutinating antibodies in the Nile tilapia, Oreochromis niloticus"

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1988 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 〓亜歓: 北海道大学水産学部研究嚢報. 38. 14-26 (1987)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 〓亜歓: 北海道大学水産学部研究嚢報. 39. 201-209 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 〓亜歓: Journal of Morpholygy.

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 〓亜歓: Cell and Tissue Research.

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 婁亜歓;高橋裕哉: 北大水産研究彙報. 38. 14-26 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 婁亜歓;高橋裕哉: Journal of Fish Biology.

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

URL: 

公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi