研究課題/領域番号 |
62480102
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡田 泰伸 京都大学, 医学部, 講師 (10025661)
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研究分担者 |
上田 俊二 京都大学, 医学部, 助手 (70191913)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | Bリンパ球 / 細胞分化 / K^+チャネル / Cl^-チャネル / 細胞容積調節 / 細胞容積調節能 / 細胞内Ca^<2+> |
研究概要 |
ほとんどの細胞は低浸透圧環境下におかれると一過性に物理的膨張を示した後に次第に元の体積へと復帰するところの調節性収縮能を有している。この容積調節は細胞からのKCl流出とそれによってもたらされる水の排出によって行われるが、その過程にK^+及びCl^-チャネルの開口が関与していることを私達は既に小腸上皮細胞において示している。一方、ヒトBリンパ球はTリンパ球に比べてこの容積調節能に乏しいことが報告されている。従って、Bリンパ球ではその分化段階において容積調節性イオンチャネルが失われる可能性が高い。そこで本研究では、分化段階の明確なマウスB系細胞に平均容積測定法とパッチクランプ全細胞記録法を適用して実験を行い、次の点を明らかにした。(1)、表面IgM+のマウス培養正常成熟B細胞株(DW101)はヒトB細胞と同様に低張負荷時の細胞容積調節能を欠いている点でT細胞や他の多くの細胞と対照をなす。(2)、表面IgM-で細胞内IgM+のpre-B株(DW8、DW34、アーベルソンAT3、AT11)はすべて成熟B細胞と同様にこの細胞容積調節能を欠いているが、細胞内IgMーのpre-pre-B細胞株(SCID7、AT3及びAT11の亜株)ではT細胞と同様の調節性収縮能を持つ。従って、この容積調節能の欠落は、pre-pre-Bからpre-Bへの分化を境にして発生する。(3)、この容積調節能に対するK^+チャネル阻害剤、Cl^-チャネル阻害剤、外液K^+及びCl^-濃度変化などの影響から、pre-pre-B細胞容積調節能もK^+チャネルとCl^-チャネルの働きで行われているものと考えられた。(4)、このことはパッチクランプ全細胞記録法においてK^+及びCl^-電流活性化が低張負荷時に観察されたことにより直接的に支持された。(4)pre-B細胞では同負荷でCl^-電流活性化は見られるが、K^+電流活性化は見られない。従って、容積調節性K^+チャネルの欠損がpre-B細胞の調節性収縮能欠落の原因である。
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