研究課題/領域番号 |
62480103
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
丹治 順 東北大学, 医学部, 教授 (10001885)
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研究分担者 |
嶋 啓節 東北大学, 医学部, 助手 (60124583)
綾 皓二郎 (綾 晧二郎) 東北大学, 医学部, 助手 (40091649)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1987年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 大脳皮質 / 帯状回 / 神経細胞 / 随意運動 / 脳の機能マップ |
研究概要 |
大脳皮質帯状回の機能を解析する手段として個々の細胞活動の動態を広汎に記録し、それらの特性を検索することによって皮質内の微細な活動局在マップを作成した。まず日本ザルを訓練し、(1)光・音信号および振動による体性感覚刺激を契機とした反応応答による運動、(2)一定の待機期間中の運動抑止および(3)自発性に開始された随意開始性運動の課最を行わせた。訓練終了後、無菌的手術操作により記録用シリンダーを装着し、これを用いて微小電極に刺入を行い、随意運動遂行中の細胞活動を記録した。 霊長類の帯状回細胞活動に関する従来の報告は少なく、系統的な研究が無かったので、その全域に汎る広汎かつ綿密な解析が必要であった。そのために帯状回の吻一尾側方向に45mmに亘って、連続的にかつその全ての深さに及び細胞活動の記録を行った。まず入力応答として、光・音および体性感覚信号に対する応答が得られたので、それらの潜時及び活動変化量を解析し、次にその応答の空間的分布を調べるために、組織学的手法を用いて微小電極刺入部位の再構成を詳細に行った。また、運動に先行する活動を解析することで、随意開始性の際にも、感覚的トリガー運動に際しても、いずれも先行活動のみられることが知られた。それらの活動の空間分布を明らかにすることができた。次に同一個体の一次運動野活動との比較も行い、帯状回の細胞活動の基本的特性を明らかにした。さらに、皮質帯状回と一次運動野の機能的連絡を、形態学的側面から調べるために、西洋わさび過酸化酵素を帯状回の記録部位に注入し、生理学的に同定された部位への運動野からの投射も明らかにした。 他方この研究の本来の目的に加えて、当初予測以上の研究成果が得られた。それは大脳運動野・補足運動野および運動前野における細胞活動の機能的特性の差異を示した研究成果である。
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