研究課題/領域番号 |
62480115
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
清原 壽一 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (50071874)
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研究分担者 |
森 俊憲 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (40200373)
中島 敏博 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (30128136)
堀 哲郎 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (00022814)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 体温調節 / 摂食調節 / 免疫調節物質 / 温度感受性ニューロン / グルコース受容ニューロン / 発熱 / 食欲減退 |
研究概要 |
本研究は脳による免疫系の制御という問題攻略の第一歩として、免疫系が発する化学信号に対し、環境ホメオスタシス系を統御する視床下部がどのように応答し、如何なる適応反応を発現するかを明らかにする目的で、体温及び摂食調節系に関与する視床下部細胞への免疫制御物質の作用機構を解析し、以下の点を明らかにした。 1 免疫サイトカイン(IL-1、IFNα、TNF)の視束前野温度感受性ニューロンに対する作用を、ラット脳スライス標本で解析した。これらの物質は温ニューロン活動を抑制、冷ニューロン活動を促進したが、非温度ニューロンには影響しなかった。このニューロン活動変化から、これらの物質により惹起される発熱を設明できる。また、PG合成阻害物質やナロキソンを併用した解析から、IL-1とTNFの作用には、局所におけるPG合成が必要であること、及びIFNαの作用はニューロンのオピエート受容体機構への作用によることが明らかになった。 2.視床下部腹内側核のグルコース受容ニューロンに対し、生物学的量のIL-1とIFNαが直接作用し、食欲を抑制する方向にニューロン活動を変化させた。IL-1の作用はPG合成阻害物質、及びαMSHで抑制され、IFNαの作用はナロキソンで抑えられる。これらの事はリンパ球でも認められており、これら免疫サイトカインの視床下部ニューロン及びリンパ球に対する作用機構の同一性が判明した。 3.IL-1、IFNαをラット第3脳室内に投与すると発熱を惹起する。その発熱は、それぞれサルチル酸ナトリウム、ナロキソンでブロックされ、ニューロンレベルで得られた知見と一致した。 4.ラットの脾臓NK細胞の腫瘍細胞障害活性が、低温曝露により抑制される事を明らかにした。
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