研究課題/領域番号 |
62480119
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
日高 弘義 名古屋大学, 医学部, 教授 (80100171)
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研究分担者 |
中 充子 三重大学, 医学部, 助手 (10093139)
田中 利男 三重大学, 医学部, 教授 (00135443)
石川 直久 名古屋大学, 医学部, 助教授 (80109321)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 細胞内カルシウム調節機構 / ミオシン軽鎖リン酸化反応 / ミオシン軽鎖キナーゼ / 血管平滑筋収縮 / 血小板凝集 / 放出反応 / ミオシン軽鎖キナーゼ阻害剤 / MLー9 / 分子薬理学 / ML-9 / カルシウム依存性リン酸化反応 / 平滑筋収縮反応 / 血小板放出反応 |
研究概要 |
血管平滑筋収縮反応や血小板機能における細胞内Ca^<2+>調節機構を分子レベルで明らかにする目的で、選択的阻害剤を用いる分子薬理学的方法により、Ca^<2+>依存性ミオシン軽鎖リン酸化反応の役割を解析し、以下の成果を得た。 1.我々が独自に開発したミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)阻害剤MLー9は、平滑筋や血小板のMLCKを選択的に阻害し、その阻害様式はATPに競合的でKi値は3.8μMであった。MLー9誘導体を用いた構造活性相関から、MLCKのATP結合部位(活性中心)は疎水性環境下にあり、MLー9は、この疎水性部分に結合して酵素活性を阻害すると考えられた。 2.ウシ大動脈平滑筋から調製したアクトミオシン(ミオシンB)のMgーATPase活性や超沈殿反応をMLー9は用量依存性に阻害した。ウサギ腸間膜動脈の微小筋線維束をサポニン処理して作成したスキンド線維のCa^<2+>収縮やトリプシン処理(Ca^<2+>非依存性)MLCKによる収縮反応をMLー9は有意に抑制した。また、同動脈の正常血管条片のKClによる収縮反応を抑制すると同時に、組織中のミオシン軽鎖リン酸化反応も抑制した。したがって、MLー9は、MLCK阻害を介したミオシン軽鎖リン酸化反応の抑制により、血管収縮反応を抑制することが示唆された。 3.MLー9は、ヒト血小板の凝集・放出反応やラット褐色細胞腫PC12h細胞のドパミン放出反応を抑制すると共に、ミオシン軽鎖のリン酸化反応も阻害した。したがって、ミオシン軽鎖リン酸化反応は、これらの細胞機能においても重要な役割を果たしていることが明らかになった。 4.以上、本研究は、血管収縮や血小板等の細胞機能におけるミオシン軽鎖リン酸化反応の生理的意義を細胞レベルではじめて解明したものと言える。
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