研究課題/領域番号 |
62480126
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中川 八郎 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (20029937)
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研究分担者 |
岡田 雅人 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (10177058)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1987年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | Protein tyrosine kinase / がん遺伝子 / pp60^<cーsrc> / pp60^<ncーsrc> / pp60^<cーsrc>kinase / Phosphotyrosyl protein phosphatase / 中枢神経系 / 分化・発育 / 蛋白質チロシンキナーゼ / 蛋白質チロシンホスファターゼ / インスリン受容体 / pp60^<c-src> / pp60^<c-src>Rinase / MAR-2 / 概日リズム / 神経分化 / インスリン / 自己りん酸化反応 / チロシンキナーゼ / プロテインチロシンホスファターゼ |
研究概要 |
[研究実績] 1.Protein tyrosine kinase(PTK)に関する研究(1)2種の新型PTKの発見の脳中にはRous肉腫のがん遺伝子の発現産物であり、PTK活性を有するpp60^<vーsrc>のプロト型であるpp60^<cーsrc>が含まれていることが知られている。本研究ではラット胎児脳のPTKを分析中、pp60^<cーsrc>に対する抗体と免疫交差反応を示すが、成熟型とは異るpp60^<ncーsrc>と、免疫交差反応を示さない全く新しい型のPTKを見出した。(2)pp60^<ncーsrc>とNーPTK(新型のPTK)の精製と特性解析、両酵素をラット胎児脳の粗抽出液から高度に精製することに成功した。また、NーPTKは阻害剤、金属イオン要求性、基質特異性などの諸性質から明かにpp60^<ncーsrc>と異ることを証明した。(3)NーPTKとpp60^<cーsrc>kinaseとが同一酵素であることの証明。pp60^<cーsrc>は527番のチロシン残基の、りん酸化がおこると発がん性を失うことが知られ、その発がん性の鍵を握るpp60^<cーsrc>kinaseの存在が多くの研究者によって求められてきた。本研究ではNーPTKの基質特異性がpp60^<cーsrc>kinaseと同一である可能性を示唆したので、ペプチドマッピング法により、NーPTKによるpp60^<cーsrc>のりん酸化部位が予想通り527番目のチロシン残基であることを証明した。(4)脳の発育過程における酵素の変化の解析。pp60^<ncーsrc>およびpp60^<cーsrc>kinaseは共にラットの生後1週間以内に最大活性を示し、その後著明に低下することを明かにした。2.Phosphotyrosyl protein phosphatase(PTPPase)に関する研究。ラット脳から4種のPTPPaseを分離することに成功した。そのうちII、III型は脳にみの存在し、527番目のチロシン残基がりん酸化されたpp60^<cーsrc>を脱りん酸化することを証明した。 [今後の展望] pp60^<cーsrc>kinaseは発がんの鍵を握るのみならず、中枢神経系の分化、発育の鍵をも握ると考えられる。今後同酵素の抗体を得て、培養系を用いて上述の機構を解析する予定である。
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