研究課題/領域番号 |
62480128
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
嶋津 孝 愛媛大学, 医学部 (30090400)
|
研究分担者 |
箕越 靖彦 愛媛大学, 医学部, 助手 (10200099)
高橋 章 愛媛大学, 医学部, 助手 (40171467)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
|
キーワード | 交感神経 / 非アドレナリン性伝達因子 / α,βブロッカ- / 肝ホスホリラ-ゼ / 褐色脂肪細胞 / 脂肪酸合成 / 神経ペプチド / α,βブロッカー / グアネチジン / 代謝調節 / 肝ホスホリラーゼ |
研究概要 |
交感神経が果たしている代謝調節作用を伝達する化学因子は、これまでノルアドレナリン(NA)の働きによると考えられてきたが、最近の知見ではNA以外の因子を介する非アドレナリン作動性機構の関与も示唆されている。たとえば、肝灌流法を応用した神経-肝標本を用いた実験系で、交感神経の電気刺激によってひき起こされる肝ホスホリラ-ゼの活性化反応は、α及びβブロッカ-の共存下でも部分的にしか阻止されないことが明らかになった。この作用機構に関与している交感神経因子を分離するため、腹腔神経節を出発材料として精製を進めた。その結果、肝細胞のホスホリラ-ゼを活性化する単一成分因子を得ることができ、アデノシンと同定された。更に、神経-肝標本を活用して検索したところ、肝グリコ-ゲン分解を促進する非アドレナリン作動性機構にはプロスタグランジンも関与していることが判明した。 次に、褐色細胞組織(BAT)の脂肪酸合成を促進する交感神経の作用に関して、以下の如く非アドレナリン作動性機構の関与が明確になった。 (1)BATに分布する交感神経をバ-スト状に電気刺激すると、脂肪酸の合成速度が亢進するが、この効果はα及びβブロッカ-の併用投与によっても全く阻止されない。 (2)連続的な刺激や休止期の多い間欠的刺激では脂肪酸合成速度の亢進は起こらないのに、α及びβブロッカ-の事前併用投与によって合成速度が反転上昇する。 (3)NAの持続注入は脂肪酸合成に対して全く無効である。そこで浮遊褐色脂肪細胞の脂肪酸合成を指標とする検定法を開発し、この実験系を用いてNA以外の交感神経因子の分離同定を試みた。その結果、NAと共存することが知られている各種の神経ペプチドは無効であったが、視床下部の抽出液中には脂肪酸合成を促進する有効因子が存在することを認め、その部分精製に成功した。
|