研究課題/領域番号 |
62480139
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
広橋 説雄 国立ガンセンター研究所病理部, 室長 (70129625)
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研究分担者 |
向井 清 Pathology Division, National Cancer Center Research Institute (20190837)
吉田 輝彦 Genetics Division, National Cancer Center Research Institute (10191602)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | ホルマリン固定パラフィン包埋組織 / DNA抽出 / がん遺伝子増幅 / B型肝炎ウイルス / polymerase chain reaction / 乳癌の予後因子 / がんの悪性度 / Coxの重回帰分析 / 胃癌 / sam / c-erbB-2 / c-myc / 肝癌 / B型肝炎ウイスル / ホルマリン固定パラフィン包理組織 / ドットブロット法 / 癌遺伝子の増幅 / 予後因子 / Nーmyc / cーexbBー2 / hst |
研究概要 |
病理組織診断に使われるホルマリン固定パラフィン包埋組織からDNAを抽出して品質を検討したところ、症例によりDNAの断片化など変性が加わりSouthero blot法では解析できないこともあるが、dot blot法を用いればほぼ全例で正確な特定遺伝子のコピー数あるいはウイルスなど外来の遺伝子の存在を検索できることを明らかにした(このことは、断片化したDNAでもその中の塩基配列が正しく保存されていることを意味する)。さらに、新しく開発されたpolymerase chain reactionを利用するとこにより、ホルマリン固定組織から抽出したDNAあるいはパラフィン切片1枚に露出するDNAを鋳型に、遺伝子の小領域を大量に試験管内で増幅できることを確認した。増幅された遺伝子は、その塩基配列の決定も容易になる。これらの方法を総合することにより、ルーチンの病理組織診断用標本においても正確に遺伝子異常の検索が可能となり、病理組織診断と遺伝子診断が併用される突破口が開けたと考える。以下具体的に解明した成果を列記する。 (1)小児腫瘍のうち神経芽腫の51%にがん遺伝子N-mycの増幅を認め、N-mycの増幅を示す症例が予後不良であった。 (2)乳癌でc-erbB-2、hst-1、c-mycの遺伝子増幅を示す症例は有意に予後不良で、c-erbB-2の増幅は乳癌の組織学的悪性度と良く相関した。 (3)ヒト肝細胞癌症例の肝組織から抽出したDNAにおけるB型肝炎ウイルスDNAの検索により、非A非Bウイルスに関連した肝細胞癌が増加していることを示した。 (4)ホルマリン固定組織から抽出したDNAあるいは切片1枚をもとに、各種ras遺伝子の百数十塩基配列が充分に増幅できた。
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