研究課題/領域番号 |
62480143
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
吉永 秀 熊本大学, 医学部, 教授 (90040196)
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研究分担者 |
大河原 進 熊本大学, 医学部, 助手 (10094088)
後藤 文正 熊本大学, 医学部, 助手 (60186898)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1987年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 炎症 / 炎症ホルモン / 多核白血球 / インターロイキン1 / サイトカイン / IL1 / 蛋白合成能 / マクロファージ |
研究概要 |
多核白血球は、従来異物排除細胞として位置付けられ、貧食、リソゾーム酵素の遊離などの機能について多くのことが調べられてきた。しかし、我々は炎症局所に浸出した多核白血球が免疫応答増幅因子を産生していること、しかもこの因子は炎症局所に浸出した多核白血球が新しく合成したものであるとの所見を得、生体防御機能の調節にかかわる炎症ホルモン産生器官としての新しい機能をもっているであろうとの仮説をもつに至った。このプロジエクトでは上述の炎症性免疫増幅因子を最終的に精製し、その部分構造を決定し、これに基づいて、炎症浸出細胞から作成したcDNAライブラリーから目的のクローンを選択し、その全構造を決定すると共に、組み替え遺伝子産物、その抗体を作成し、炎症局所に浸出した多核白血球はこの免疫増幅因子を炎症局所に浸出したあと新しく合成し、遊離するとの決定的な証拠を提出することができた。すなわち、この免疫増幅因子の本態はその構造からウサギのIL1Bであることが決定され、炎症局所に浸出した多核白血球は、IL1BmRNAを発現していること、^<14>Cアミノ酸が、その分子内に取り込まれること、この因子の産生は4種の蛋白合成阻害剤で阻止できること、免疫組織化学的に炎症局所のIL1B保有細胞は99%か多核白血球であり、残り1%がマクロファージであることを証明した。上述のように、炎症ホルモンの1つIL1を多核白血球が合成、遊離していることから、他の因子も同様に産生していると考え、末消血多核白血球、炎症早期及び後期の多核白血球の蛋白合成能、RNA合成能、合成した蛋白の分析を行い、多核白血球は炎症局所で長時間に亘り、蛋白合成能と保持しており、IL1以外に少なくとも8種の蛋白を新しく合成、遊離することをつきとめた。これらの微量蛋白の生物機能について調べることは次のプロジェクトの重要課題であると考える。
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