研究課題/領域番号 |
62480144
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
白井 俊一 順天堂大学, 医学部, 教授 (30115860)
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研究分担者 |
西村 裕之 順天堂大学, 医学部, 助手 (60189313)
岡田 隆 順天堂大学, 医学部, 助手 (20185440)
丹野 正隆 順天堂大学, 医学部, 助手 (50171913)
関川 巌 順天堂大学, 医学部, 助手 (80179332)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 自己免疫 / 全身正エリテマト-デス / 主要組織適合遺伝子複合体 / T細胞抗原受容体 / 遺伝子組み換え / congenicマウス / transgenicマウス / New Aealandマウス / 全身性エリテマト-デス / Transgenicマウス / New Zealandマウス / 全身性エリテマトーデス / クラスII抗原 / コンジェニックマウス / トランスジェニックマウス / 自己免疫遺伝子 |
研究概要 |
自己免疫疾患は遺伝子効果の明らかでない複数の同義遺伝子の共同効果の上に発症するポリジ-ン系疾患である。従って、自己免疫疾患の発症気孔を理解するためには、まず、これら同義遺伝子の同定とその遺伝子効果を探る必要がある。我々はここ数年来、代表的自己免疫疾患である全身性エリテマト-デス(SLE)を自然発症するNZB×NZW(B/WF1)マウスについてSLE発症に主遺伝子効果を示す2つの遺伝子座を明らかにした。その1つは、MHCに密接に連鎖しており、B/WF1マウスでは両親系由来の最低2個の疾患遺伝子の存在が示唆された。他の1つはT細胞抗原受容体β鎖(TCRβ)遺伝子複合体に連鎖しており、ここにNZW系由来の疾患遺伝子の存在が推定された。本研究では、これらの背景をもとにNZBおよびNZW系にMHC、あるいはMHCクラスII遺伝子、TCRβ鎖遺伝子領域の組み換えを試み、これら遺伝子のSLE発症における役割を解析した。先ずはじめにNZBとNZW系のMHC領域を組換えたH-2 congenicマウスを生産し検討した結果、SLE病態の発症にH-2^α/H-2^zヘテロ接合体が拘束素因になっていることを発見した。この所見から、両親系由来のMHCクラスII遺伝子から生産されるF1ユニ-クhybridクラスII分子の重要性が示唆されたので、クラスII遺伝子の塩元配列を調べた結果、I-E分子にユニ-クな抗原結合構造の形成される可能性が示唆された。この成果をもとに、クラスII genomic DNAを用いたtransgenicマウスを生産し、現在、その遺伝子効果を検討中である。一方、TCRβ遺伝子については、なおcongenic NZB、NZWの樹立が進行中であるが、その過程で行った実験により、NZW由来のTCRβがH-2^α/H-2^zヘテロ接合性の拝啓で遺伝子効果を示すことが裏付けられた。以上の事実から、SLEの発症は特有の構造を持つTCRとMHCクラスII分子の相互作用が重要と考えられた。
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