研究課題/領域番号 |
62480145
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 国立衛生試験所 |
研究代表者 |
林 裕造 国立衛生試験所, 病理部, 部長 (40142129)
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研究分担者 |
前川 昭彦 国立衛生試験所, 病理部, 室長 (30106182)
今井田 克己 (今井田 克巳) 国立衛生試験所, 病理部, 室長 (90160043)
高橋 通人 (高橋 道人) 国立衛生試験所, 病理部, 室長 (30080005)
黒川 雄二 国立衛生試験所, 毒性部, 部長 (50006102)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 4-hydroxyaminoquinoline 1-oxide / 副腎皮質の加齢性病変 / 膵臓の加齢性病変 / 抹消神経の加齢性病変 / ACTH / cholecystokinin / 4ーhydroxyaminoquinolinel-oxide / 副腎皮質腫瘍 / peliosis adrenalis / 4-hvdroxyaminoquinoline 1-oxide / 大豆トリプシン阻害物質(SBT1) / basophilic acihar foci / 4ーHydroxyaminoguinoline 1ーoxide / Peliosis adrenalis / Adriamycin / 加齢性腎症 / 糸球体上皮細胞 |
研究概要 |
加齢に伴う器官病変の発現が構成細胞における遺伝子障害の蓄積もしくは老化関連遺伝子の活性化によるとの前提に立つと、DNAを障害する物質はその標的器官における加齢性変化を促進する作用をもつと予想される。我々はこの可能性を立証する目的で、協力な変異原性/発がん性を有する。4-hydroxyaminoquinoline 1-oxide(HAQO)をラットに投与した場合に、諸器官の加齢性病変の発現が促進されるか否かについて検討した。HAQO 5mg/kgを週1回、計8回静脈内投与したラットでは、最終投与後2週目頃より後肢の感覚障害と運動障害が発現し、病理組織学的に後索と三叉神経線維に軸索変性の発現がみられ、後根神経節および三叉神経節の神経細胞に胞体の萎縮、リボソ-ムの減少、核膜の変性・リポフスチン顆粒の増加などの加齢性変化に類似の病変が出現した。HAQO 7mg/kgの1回投与後20週以上経過した雌ラットでは、老齢ラットに好発する副腎病変Peliosis adrenalisが70%と高率に出現した。同様に、HAQO 7mg/kgを1回の投与後50週以上経過した雄ラットの膵には、腺房膵腫の他に老齢ラットに特有な好塩基性細胞巣basophilic cell fodiが好発した。なお、副腎皮質および膵における上記病変の発現は、ACTHの投与およびCCK血中レベルの持続物質投与(soybean trypsin阻害物質)によって抑制された。以上の成績から、1)HAQOはラットの抹消神経、膵、副腎における加齢性病変の発現を促進する事実が確認され、2)成長因子は標的器官における加齢性病変の発現もしくはん進展に対して抑制的に作用する可能性が示唆された。
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