研究課題/領域番号 |
62480181
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学
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研究機関 | 国立公害研究所 |
研究代表者 |
村上 正孝 国立公害研究所, 環境保健部, 部長 (30010078)
ムラカミ マサタカ (1989) 国立公害研究所, 環境保健部, 部長
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研究分担者 |
藤井 敬二 筑波大学, 基礎医学系・病理学教室, 助教授 (00091926)
佐野 友春 国立公害研究所, 環境生理部, 研究員 (10178808)
市瀬 孝道 国立公害研究所, 環境整理部, 主任研究員 (50124334)
嵯峨井 勝 国立公害研究所, 環境生環部, 室長 (80124345)
藤井 敬二 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (50106639)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1989年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1987年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 二酸化窒素(NO_2) / 慢性吸入 / 腫瘍促進効果 / N-bis(2-hydroxypropyl)nitrosamine / 腺腫(Adenoma) / 腺癌(Adenocarcinoma) / 肺胞上皮細胞 / 過形成 / 慢性暴露 / プロモーション作用 / N-bis(2+hydroxypropyl) nitrosoamine(DHPN) / ポリアミン / オルニチンデカルボキシラーゼ(ODC) / 肺腫瘍 / 鼻腔腫瘍 / Nーbis(2ーhydroxypropyl)nitrosoamine(BHPN or DHPN) |
研究概要 |
大気機汚染物質のNO_2が肺腫瘍生成を促進する作用を有するかどうかを明らかにする目的で、発癌剤前投与とNO_2暴露の併用実験を行った。低濃度の発癌剤N-bis(2-hydroxypropyl)nitrosamine(DHPN)あるいは生理食塩水を6週令のWistar系雄ラットの腹空内に1回投与し、翌日からそれらラットを清浄空気、0.04ppm、0.4ppmあるいは4ppmのNO_2に17カ月間連続暴露した。肺では、DHPNを投与した清浄空気暴露群と0.04ppmNO_2暴露群の各40匹中に各々1匹(3%)づつにadenomaが認められた。これに対してDHPNを投与した4ppmNO_2暴露群では40匹中5匹(13%)に肺の腫瘍が認められ、そのうち4匹にadenomaが、1匹にadenocarcinomaが認められた。しかし、この値はDHPNを投与した清浄空気暴露群と比べて有意差はなかった。DHPNを投与したあとNO_2暴露されたラットでは高率に肺胞上皮細胞の過形成が発生していたが、その発生率とNO_2濃度との間に有意な相関は認められなかった。なお、NO_2暴露のみの群では肺胞上皮細胞に過形成は認められなかった。一方、細気管支上皮の過形成DHPNを投与した4ppmNO_2暴露群で顕著で、40匹中17匹(43%)に認めらた。しかし、DHPNを投与した他の暴露群ではその過形成はほとんど認められなかった。また、DHPN無投与の4ppmNO_2暴露群で認められた過形成はDHPN投与群で認められたものより軽度であった。 これらの結果は肺の腫瘍形成が4ppm NO_2暴露によって促進されうることを示している。しかし、低濃度のNO_2暴露ではその効果は認めらられなかった。
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