研究課題/領域番号 |
62480193
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
鈴木 司郎 三重大学, 医学部, 教授 (70027316)
|
研究分担者 |
馬場 優 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (70118488)
渡辺 省三 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (20134934)
伊藤 康彦 三重大学, 医学部, 教授 (00022872)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
|
キーワード | A型肝炎 / 肝細胞障害 / A型肝炎ウィルス(HAV) / 電子顕微鏡 / 結晶状排列 / NK細胞活性 / LAK細胞活性 / HAV / 肝細胞障害機序 / インタ-フェロン / 同種PBMC / NK細胞 / LAK細胞 |
研究概要 |
A型肝炎ウィルス(HAV)が発見され、ポリオウィルス等と同属のエンテロウィルスに属するものであることが明らかとなったのは1973年以来であり、引き続いて培養細胞内増殖系も得られた。しかし、予期に反して、培養細胞内でHAVの増殖はみられるが、細胞崩壊像は観察されなかった。このことから、A型肝炎発症時の激しい肝障害の発生機序を考え直す必要が生じて来た。 本研究においては、カニクイザル腎由来の培養細胞株JTC-12-P_3を用いこれにHAVを感染させた際の増殖の動態をウィルス学的、電子顕微鏡的に検索し、ウィルス増殖が専らVesicle内で行われるが、その初期の段階では他のエンテロウィルス群で見られるHAVの結晶状排列を確認することが出来た。これはHAVについては、今迄観察されていなかった新知見である。また、電顕的にみても、感染細胞の変性、壊死は起こらず、持続感染状態となることが確認された。 この持続感染細胞系を用いて、非感染細胞を対照として、ヒト健常者リンパ球、A型肝炎急性期リンパ球、A型肝炎回復期リンパ球をによる細胞障害効果の有無を、^<51>Cr放出試験によって、持続感染細胞と対照非感染細胞との間に有意差がみられるか否かによって検索した。その結果ヒトリンパ球を用いた場合は、有意差を認めることが出来ず、培養細胞と同種の関係にあるカニクイザルのリンパ球を用いた場合に、感染細胞に有意に高い細胞障害効果が認められた。さらに、1L-2にて刺激したリンパ球を用いた場合にはさらに大きな差をもって、有意に高い細胞障害効果が観察された。この結果から、NK及びLAK細胞活性が、同種の関係においては、ウィルス感染細胞に障害効果を示すものと考えられ、A型肝炎の際の肝細胞障害機構においても、NK又はLAK細胞による非特異的免疫機構が関与している可能性があることが示された。
|