研究課題/領域番号 |
62480206
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
山林 一 東海大学, 医学部, 教授 (60055697)
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研究分担者 |
沓澤 智子 (沓沢 智子) 東海大学, 医学部, 助手 (10183310)
塩谷 寿美恵 (塩田 寿美恵) 東海大学, 医学部, 講師 (20102840)
山本 正博 東海大学, 医学部, 講師 (80095661)
中澤 博江 東海大学, 医学部, 助教授 (20110885)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1988年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1987年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 低酸素状態 / 呼吸不全 / ^<31>P核磁気共鳴法 / 高エネルギー燐酸化合物 / 呼吸不全運動負荷 / マクロファージ / ATP / 慢性低酸素曝露 / ^<31>PーNMR |
研究概要 |
1.マクロファージを用いた基礎的検討では、蛋白質あたりのATPは、肺胞マクロファージと復腔マクロファージでは同量であった。肺胞マクロファージを好気性環境と嫌気性環境で48時間培養した結果、後者のATPが20%低下していた。ADPも後者が低下していたが、エネルギー荷には変化がなかった。CP(クレアチン燐酸)量は両者間に有意差はなかった。このATPの低下は、ATP産生の低下、すなわちエネルギーを好気的燐酸化から嫌気的解糖により得るように変化したものと考えられた。 2.ラットを11%酸素に長期間暴露し、大腿筋肉の高エネルギー燐酸化合物量を生化学的及び^<31>P-MRSで測定した。生化学的測定では、正常対照群と慢性低酸素暴露群のATP量はむしろ低酸素群の方が高値であった。^<31>P-MRSでも両者間のスペクトルに差は認められなかった。従って、筋肉に関しては、慢性低酸素暴露群のエネルギー代謝は保たれていることと考えられた。今後は^<31>P-MRSの測定方法を改良し、肝臓や脳などの他組織や運動などの負荷をかけ、エネルギー代謝の差を検討したい。 3.正常人と慢性呼吸不全患者に等張性の上肢の運動をさせ、前腕筋群の^<31>P-MRSを3分毎に運動前、中、後で連続的に測定した。正常人及び患者群の全てで運動時にPi(無機燐)が上昇し、CPが低下した。ATP量にはほとんど変化がみとめられなかった。今回の測定では、運動強度が様々であったので確定的ではないが、正常人に比べ、運動時の細胞内pHの低下が著しく、またCP/Piの低下も著しいことから、患者群の方が、運動時に嫌気性解糖が働きやすいと考えられた。今後は、測定時間を短縮すること、正常人と患者群で差が出るような運動強度の設定に努め、運動の耐性や酵素療法の適正度を判定できるようにしたい。
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